りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

ペナンブラ氏の24時間書店

ペナンブラ氏の24時間書店

ペナンブラ氏の24時間書店

★★★★

失業中の青年クレイが、ふとしたきっかけから働くことになった“ミスター・ペナンブラの二十四時間書店”は変わった店だった。まったく繁盛していないのに店名どおり24時間営業で、梯子付きの高い高い棚には、存在しないはずの本(Google検索にもひっかからない!)がぎっしり詰まっているのだ。どうやら暗号で書かれているらしいそれらの本の解読に、クレイは友人たちの力を借りて挑むが、それは500年越しの謎を解き明かす旅の始まりだった―すべての本好き、読書好きに贈る冒険と友情、その他もろもろ盛りだくさんの物語。全米図書館協会アレックス賞受賞作。

明るくて元気の出るYA作品。
「すべての本好き、読書好きに贈る」とあるけれど、本好きの琴線にふれるかというとそうでもなくて、気のあう仲間たちが自分の持っている技を繰り出して難問に挑んでいくというのは、むしろロールプレイングゲームに似たワクワク感があった。

出てくる老人たちが「老人」っぽくなくて、冒険好きの若者が年を重ねていったらこうなった、というところがいい。
ITを手段として大いに利用しながらも、その原動力となるのが「知りたい」「分かり合いたい」というのにも共感した。