りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

神楽坂二人会 昼の部 菊之丞・白酒二人会

7/6(日)、牛込箪笥区民ホールで行われた「神楽坂二人会 昼の部 菊之丞・白酒二人会」に行ってきた。

柳家フラワー「出来心」
桃月庵白酒浮世床(将棋、本)」
古今亭菊之丞「死神」
〜仲入〜
古今亭菊之丞「親子酒」
桃月庵白酒「千両みかん」

フラワーさん「出来心」
フラワーさん、前に一度見たことがあって「陰気…」と思った記憶があったんだけど、自分のブログを検索してみたら感想を書いてなかった。大人だったんだな、あの時は。(え?いまは?)
あの時は席が遠かったからわからなかったのだが、今回はすごく前の方に座っていたから、表情もよく見えた。
あの時は「楽しくなさそうにやるなぁ」と思ったのだが、近くで見て、もしかしてあがり症なだけ?
それでも前に聞いた時より格段に面白くなっていた。早口は聞き取りにくいのでもっとゆっくり楽しんでやっていただきたい。

白酒師匠「浮世床(将棋、本)」
ヨーロッパ公演についてのまくら。
今回が初めての海外旅行という白酒師匠。行く前にもさんざん愚痴を言っていたけれど、やはり実際行ってみてもその印象は変わらなかったらしく。
スイスまで直通便で行ったらしいのだが、CAさんがいかにも「肉体労働」っぽい人たちで、愛想のかけらもない。
長旅なので結構疲れて身体が通路側にはみ出してしまって、通路を通るCAさんと身体がぶつかることがあったのだが、あちらは「ソーリー(低い声)」と一応言いはするものの全く謝ってる感じはない。こわもてのにーちゃんがぶつかって「あ、ごめんよ。」と言うのと同じ。

ドリンクサービスが来た時も、一緒に行ったえりちゃんや天どん師匠の目を気にしつつ、あんまり英語っぽい発音だとかっこつけてると思われると思って「ウォーター」とジャパニーズイングリッシュで言ってみると、通じない。
あ、やっぱりそうかと思い、「わーたー(低い声)」と言ってみると、それも通じない。
おい、これで通じないとどうしたらいいんだ!!とパニック状態になり、仕方なく「オーランジ」と言うと「おー!」と通じた。
仕方なく、飲みたくもないオレンジジュースを飲むはめに。
しかし長時間日本人の相手をしているとCAさんも慣れてくるのか、逆側に座っていた日本人のおっさんが到着間際に「ウォーター」と言うと「イエース」と水が出てきていて、通じるじゃねぇか!と思った、と。

それからデンマークで落語会をやった時。
見に来ているのはスーパーで買い物した帰りみたいなおばちゃん3人。
何か質問ありますかと聞くと、手を挙げるのだが、日本人のように礼儀正しく遠慮がちにあげたりしない。
片手に持ったボールペンをプラプラ振って合図を送ってくる様子は「ここは競りかよ!」みたいな感じ。 そして当ててみると「なんで座ってやるんですか?」
…ええ?そこから?

もうとにかくまくらが面白い面白い。
悪い想い出しかないと言うけれど、これだけ面白い話があるのだったら、十分元は取れているのでは。

浮世床」将棋では、順番を決めるときからやたらと勝負にこだわる男。上か下かを相手が言うと「え?ちょっとまって」「いやそんなに自信たっぷりに言われると迷う」。めんどくさい感じが、多分こいつ将棋できないんだろうなということを予感させて面白い。
本では、やたらと息が抜けて色っぽくなるのがおかしい。

菊之丞師匠「死神」
案外「死神」を見てないんだよなぁと検索したら、小三治師匠の「死神」しか見たことがなかったみたい。おおお。
呪文が「アジャラモクレン白酒太り過ぎ」(笑)。
なにせ菊之丞師匠の形がいいのですんなり噺に入り込める。最後の倒れるところがきれい…。

菊之丞師匠「親子酒」
菊之丞師匠の「親子酒」確率高いわー。二回に一回は「親子酒」なんだけど、たまたま?
鉄板だよなぁ。何回見ても面白い。リズムが絶妙にいいから笑いがどんどん大きくなるのだ、ということが見ていてよくわかった。

白酒師匠「千両みかん」
この間の兄弟会で龍玉師匠の「千両みかん」を見たからついつい比べてしまうんだけど、この噺は龍玉師匠の方が合ってる気がした。
番頭がみかんを求めて走り回って、みかんに千両を出す主人を目の当たりにしてつい魔が差す感じとか。 白酒師匠は千両と聞いて「せんりょう…」と何度も言うことで、そうなる過程をわかりやすくしていたけれど、あのふらふらっときた感じが龍玉師匠にはあったなぁ、と。
同じ一門なのに解釈ややり方が全然違うのが落語の面白さだなぁ、としみじみ。