りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

桃月庵白酒「欧州公演壮行落語会」

6/6(金)、新宿文化センターで行われた桃月庵白酒「欧州公演壮行落語会」に行ってきた。

・ゆう京「一目あがり」
・天どん「引越しの夢」
恩田えり 寄席囃子
・白酒「だくだく」
〜仲入り〜
・白酒「臆病源兵衛
・質疑応答

天どん師匠「引越しの夢」
白酒師匠はえばってるしえりちゃんも全然味方になってくれないし発起人からは軽く見られているしと、ヨーロッパ公演の愚痴から。
字幕付きだから決まった噺しかできなくて、しかも自分は前座だから「転失気」しかやれない。
ええ?そうなの?と笑いが起きると、「そうなんですよ。2つしかやれないとしても2つあればどちらにしようかと選ぶ楽しさがあるけど、1つしかないとそれが最初にウケなかったらウケないという傷を抱えたまま次の国でもやらなきゃいけないんです」。
わははは。たしかにそれはしんどい。

天どん師匠の「引越しの夢」面白かった。
階段を上る仕草をしながら「これは階段を上る古典のしぐさですよ」、「降りるときはこれぐらいで終わりですよ。めんどくさいから」などのぼやき(言い訳?)が入るのがおかしい。やっぱり天どん師匠の古典はこれぐらい緩いほうがいいな。

白酒師匠「だくだく」
一之輔師匠のあとだし、同行するのがぴっかりちゃんじゃなくて天どん師匠だし、そりゃ不満タラタラなんだろうなと思ったら案の定「デブとハゲと座敷わらし」とばっさり。
なんでもえりちゃんから話があったとき、「同行者は誰にしますか」と聞かれ「同行者って誰でもいいの?」と聞くと「誰でもいいですよ。スケジュールさえ空いていれば」。
「誰でもって天どんみたいなやつでもいいわけ?」「いいですよ」
そんな会話があったことも忘れていたら実は水面下で話が進んでいて…「同行者はどうしますか」と再び聞かれめんどくさかったので誰でもいいやと答えたら、天どんに決まっていた、と。
「なんでよりにもよって天どん?」と聞くと「だって名前があがったのが天どんしかいなかったから」と。
「いやあれは天どんがいいなという意味じゃなくて、最低ラインとして名前を出しただけだったのに」と。
確かに天どん師匠がぼやくのもわかる。こんなに嫌がられていたら…。わはははは。

そんな毒々しいまくらから「だくだく」。
「だくだく」は落語の中で3本の指に入るくらい好きな噺。中でも白酒師匠の「だくだく」は本当に大好き。
どろぼうと入られた男の「つもり」攻防がたまらなくおかしい。手裏剣を投げてそれをよけるところなどのしぐさがなんともいえずおかしくてただただ笑った。

白酒師匠「臆病源兵衛
ヨーロッパにいくのが本当に憂鬱。中止にならないかと思ってる。なぜなら自分はすごい怖がりで海外には恐怖心しかないから、というまくらから「臆病源兵衛」。
源兵衛さんが怖がって首をすくめてキョロキョロするだけでなんでこんなにおかしいのか。
含みを持たせずにひたすら爆笑の道をひた走る白酒師匠の潔さよ…。毒々しいまくらはあまり好みではないのだけれど、落語の面白さは抜群だから大好き。