りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

白酒・馬石・龍玉三人会「雲助の弟子でござる」其の四

6/2(月)、江東区深川江戸資料館で行われた白酒・馬石・龍玉三人会「雲助の弟子でござる」其の四に行ってきた。
雲助師匠ももちろん好きだけど、お弟子さん3人とも大好き。3人がそれぞれに個性的でそれぞれ違っていてそこが面白い。誰がトリをとっても見劣りしないというのも凄いなぁ。

・きょう助「無精床」
・馬石「鮑熨斗」
・龍玉「千両みかん」
・白酒「お化け長屋」

馬石師匠「鮑熨斗」
「あのね。もうお腹がペコペコなの。だからあんた頑張ってやってきて。この家の主なんだから」と甚兵衛に迫るのが、恐妻というよりは本当にお腹がすいて切羽詰っているんだなという感じでなんともいえずおかしい。
祝いの口上を教えても全然覚えられない旦那に「えっとね…どうしようかね」と考え「じゃ、ごにょごにょ…わーわーわーーーって言ってごらん。相手が察してくれるから」と教えるのがかわいい。
鮑を断られて魚屋さんのところに戻ると「だったらこう言ってやんな。そうしたら幾らもらえるだろう」と言われ、「額は上がるけどどんどん難しくなる」とぼやく姿が可愛くておかしい。

雲助師匠のお弟子さんの中で馬石師匠が一番アクが弱いかなと思っていたんだけど、最近私の中でどんどん馬石熱が高まってきている。
かわいいのと、毒のないおっとりとしたまぬけさのようなものがたまらなく面白くてクセになる。

龍玉師匠「千両みかん」
人が良くて間の悪い番頭がなんともいえずおかしい。
若旦那の病の原因がみかんとわかって「なんだ。みかんか。早く言ってくれればいいのに」と安請け合いしてしまうところや、ようやく見つけたみかん、相手が「そんなに困っているなら差し上げますよ」と言ってくれたのを「いえそういうわけにはいきません。」と固辞したために「千両」と言われてしまい、「あーーもらっておけばよかった」とぼやくのがめちゃくちゃ笑える。
また1番目の八百屋に行ったときに磔の刑について話をしている八百屋が怖いもの見たさをにじませていて、そのおどろおどろしさと番頭のとほほさの対比がおかしい。
最後にみかんを持って逃げるところも、それまでの番頭のとほほなところを見ているだけに納得がいく。

白酒師匠「お化け長屋」
最初の男の怯えようと、二番目の男の余裕綽々ぶりがものすごいコントラストでおかしい。
そうか。こういうところがうまいんだなぁ、白酒師匠は。
本人からにじみ出てくるものが味になっている馬石師匠と龍玉師匠に対して、圧倒的笑いに徹する白酒師匠。この兄弟会は本当に面白い。次回も行きたい。