りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

柳家小さん十三回忌追善興行 小さんまつり

5/19(月)、会社帰りに「末廣亭柳家小さん十三回忌追善興行 小さんまつり」9日目に行ってきた。
・さん八「千早ふる」
・風枝 創作日舞
・小団治「蝦蟇の油」
花緑宮古川」
・さん喬「お菊の皿
〜仲入り〜
・さん八、さん喬、小団治「剣道も教わりました」司会:花緑
・小さん「長屋の花見
・こいる 順子 漫才
・市馬「らくだ」

さん八師匠「千早ふる」
もう何十年もやってないんですと言いながらの「千早ふる」。
確かになんとなく思い出し思い出しなのかな?という雰囲気もあったんだけど、なんだろうなぁ、間がよくてなんともいえないおかしさがあるのだ。
初めて見た師匠だったんだけど好きだわー。
最後のところで「からくれない」が抜けていて、時間の都合?と思ったのだが実はすっぽり抜けていたことが中入り後の対談で明らかに…。

風枝師匠 創作日舞
落語家名鑑を見ていて「こ、この人はなんだろう…」と思っていたんだけど、ついに実物を拝見することに。
見た目から話し方から話してる内容からなにからなにまで怪しい…。なんじゃこりゃー。小さん師匠…懐広いにもほどがある…。
落語じゃなくて創作日舞。「浪花恋しぐれ」の歌に乗せて踊るんだけど着物の下から赤と黒のステテコがのぞいて何だろうこれは。さっきまで会社にいたのに今ここでこういうものを見ている自分がなんだかすごく不思議でおかしかった。

小団治師匠「蝦蟇の油」
この師匠も名前は聞いたことがあったけど初めて見た。
言いたてが非常に見事できっちりした印象。

さん喬師匠「お菊の皿
いやもう本当に最高に面白かった。さん喬師匠の「お菊の皿」。
見に行った三人組のうち一番怖がってる男が「こわいよ〜こわいよ〜」と小さな声で言うのが幽霊の声みたいで、それがもうおかしいのなんの。
出てきたお菊も女っぽくて恐ろしいだけに、その後の変わりようのバカバカしさが際立つ。
最初から最後まで惹きつけられっぱなしだった。いいなぁ、さん喬師匠。見るたびに好きになっていくなぁ。

さん八師匠、さん喬師匠、小団治師匠対談「剣道も教わりました」司会:花緑師匠
まずは登場したさん八師匠。「さっきの千早ふるで、からくれないのところがすっぽり抜けちゃってね。大変失礼しました」
「自分では全然気づいてなくて下がってから若い人たちに言われて”え!”と驚いたけど、お客さんも気づいてなかったからいいやと思って」と言うと「気づいてた!」とお客さんから声が。
「え?気づいてた?あちゃーー」
よっぽど悔しかったのかそのあと話を振られても「あたしはいいんだ、そんなことはどうでも。からくれないが…」と何度も言うさん八師匠。それがまたおかしくておかしくて。

剣道が大好きだった小さん師匠。
今回対談の三名は中でも剣道が上手ということで選ばれたようなのだが、特にさん喬師匠は一門に入ってから剣道を始めて3段までいったというから驚くなぁ。
何でも見習いで入ったばかりのころ、一人で道場の掃除をしていて竹刀があったので持ってみて「こんな感じかな」と振っていると、ガラガラっと扉が開いてそこには小さん師匠がいてにやりと笑って「やりてぇのか?」。
やりたくないと言うわけにもいかず「はい、やってみたいです」とやることに。
落語は全然教えてくれなかったけど剣道はほんとによく稽古してくれたなぁと3人が口をそろえて言うのがおかしい。

そのあとも花緑師匠に対する「孫バカ」話や、時々さん八師匠の「からくれない」愚痴が混じっておかしかった〜。
さん八師匠が明日の「千早ふる」は花緑師匠がちゃんとやりますから。それが本物ですから。今日の私のは…と言いかけると客席から「偽物?」の声が。
「そりゃいくらなんでもひどい!」とさん喬師匠が立ち上がったのがまたおかしくて大爆笑だった。

市馬師匠「らくだ」
好きなんだよなぁ、市馬師匠の「らくだ」。
酔って豹変する屑屋が「こわさ」よりも「陽気さ」が際立つところが好きだ。「かんかんのう」を歌って楽しくなってきて3杯飲んで酒のうまさがわかってきて酔っぱらったらもう無敵。
やられたことをやり返すというよりは、酒を飲んで陽気になってるところが好み。
楽しかった。