りつこの読書と落語メモ

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目眩まし

目眩まし (ゼーバルト・コレクション)

目眩まし (ゼーバルト・コレクション)

★★★★

スタンダールの旅、カフカの旅をたどる、四つの不可思議な物語。

これで3冊目のゼーバルト。 4篇収められていてどれも旅の話。スタンダールの旅、カフカの旅、そして「私」の旅。 どの旅も足元がぐらつくような不安に満ちていて、人はなぜ旅に出るのだろうという疑問が湧いてくる。 現実と幻が混ざり合い、事実と虚構が混ざり合い、ぐらりとした目眩のような感覚に襲われる。 紀行文でもなく小説でもなく、つらつらと思いつくままに書き散らかした散文でありながら、どこかつじつまがあっているのが、なんともかんとも…。

中編だから読みやすいかと思ったらそんなことはなく、場所を移動するだけでなく作者の思考もどんどん移動していくので、それについていくのが精一杯。そんな読書だった。