りつこの読書と落語メモ

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黄金の少年、エメラルドの少女

★★★★★

黄金の少年、エメラルドの少女

黄金の少年、エメラルドの少女

代理母問題を扱った衝撃の話題作「獄」、心を閉ざした40代の独身女性の追憶「優しさ」、愛と孤独を静かに描く表題作など珠玉の9篇。O・ヘンリー賞受賞作2篇収録。

前作に比べると中国独特の強烈さが薄らいでいる分、登場人物たちの頑なさが際立つ。
自己評価の低さや愛し愛された経験の少なさから、打ち解けられない人たち。だからこそ、関わった人の影響を過分に受けたり頑なさを貫き通せたりするのだろう。

差しのべられた手を払いのけて心が通いあうチャンスを棒に振る彼らのことを歯痒く思うけれど、自分だってそうじゃないかと思ったりもする。
心を開いた分だけつけられる傷も大きくなる。しかし傷つくことを恐れていたら人と交わることはできないのだ。

寂しい作品が多かったけれど後味は不思議にあたたかい。