りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

夢一夜 〜一之輔・夢吉二人会〜

2/28(土)、日本橋社会教育会館で行われた「夢一夜 〜一之輔・夢吉二人会〜」に行ってきた。
この会に行くのは二回目。
初めて行った時は一之輔師匠目当てで行ったのだが、そこで初めて夢吉さんを見て「面白い!」と思い、それから何回か夢吉さんを見て、いつ見ても面白いし珍しい噺をたくさん持ってるし…今回は夢吉さん目当てで行った。

・鯉○「馬大家」
・夢吉「附子」
・一之輔「お見立て」
〜仲入〜
・一之輔「風呂敷」
・夢吉「将棋の殿様」

鯉○さん「馬大家」
鯉○さんも何回も見ていて好きな前座さんだ。前座さんらしい素直な落語で、働く姿もてきぱきしていて気持ちいい。
「馬大家」初めて見たけどとても良かった。誰に教わったのかなぁ。なんかこういう噺を聞くと、鯉昇師匠のお弟子さんだなぁ〜という感じがしてうれしくなる。

夢吉さん「附子」
この間の道楽亭の時と同じく、雪は嫌いというまくら。今回は「snow is enemy」は言わなかったけど、聞きたかった〜。
宮崎の山奥の人里離れた場所に行って子供たちに落語を教えているという話。子供の吸収力はすごくて教えれば教えただけ上手になる。行くたびに上手になっていて感心もするし教え甲斐もあって楽しい。
子どもに教えた後は自分が一席披露するのだが、小学2年生の男の子が前回見たときより見違えるように上手になっていたので呼び止めて「上手になったねぇ。」と褒めると、「いえいえ、そちらこそ」と返された。返し方が大人でダンディで驚いた。

この間電車に乗ったとき、3,4歳ぐらいの男の子が窓の外を熱心に見ながら「ばいばい」と手を振っている。
いったい誰に向かって手を振っているのかしら。もしかしてこの子には見えないものが見えているのかしらと思っていると、お母さんもさすがに気になったのか「さっきから誰に向かって手を振っているの?」と聞いた。するとその男の子が「町に」と答えた。
この「町に」の言い方がマイクに近づいて低い声を出したので大笑い。
夢吉さんのまくら、好きだわ〜。

「附子」は以前「夢吉のバカ」で見たことがあるんだけど、パワーアップしていて面白かった。
ちょっとあくどい小僧・定吉。やましいことがあるときは必ず「しーーーっ」と鼻を鳴らす。
あくどい小僧をやっても、夢吉さん自身が見るからに「できる小僧」げなので、嫌味がなくていい。

一之輔師匠「お見立て」
今日の午前中は学校寄席に行ってきましたという話。
自分が昔通っていた小学校の隣の小学校。先生からメールをもらい「一之輔師匠はこちらの出身だそうですね。ぜひ来てください」と。何回かその先生とメールでやりとりをして打ち合わせをして今日初めて行った。
校門に先生が迎えに来てくれていたのだが、一之輔師匠を見るなり「おーーい、川上ーー!」。
メールでやりとりをしていた先生は実は一之輔師匠の小学校の担任だった。
驚かそうと思ってわざと名乗らなかったらしい。
今は教頭になったその先生「さ、師匠こちらへ」とにやにやしながら迎えてくれて、昔話に花が咲いた、と。

きっと「お見立て」と「新聞記事」のどちらかはやるんだろうなぁと思っていたらやはり「お見立て」。
売れっ子の一之輔師匠、なかなか新しい噺を覚える暇はないのかなぁ…。見るたびにパワーアップしているけれど、違う噺も見たかったな、と思ってしまう。ファンとはわがままなものなのだ。

一之輔師匠「風呂敷」
これは初めて聞く噺でうれしい。
知ったかぶりをするけど微妙に間違っている兄貴が面白い。
それにしても一之輔師匠の噺に出てくるおかみさんはみんな強いねー。

夢吉さん「将棋の殿様」
なんでお前がトリをやるんだと思ってるでしょう、と申し訳なさそうな夢吉さん。
そんなことないよー。夢吉さん目当てで来てる人もいるんだよー。

将棋に凝ったお殿様。家来の者に将棋の相手をさせるのだが、駒を並べるのも家来にやらせるわ、攻められると「無礼者!」と怒り出すわ、やりたい放題。
そのうち家来が相手をするのを嫌がると、将棋を断ったら首をはねるだの勝った者が鉄扇で殴っていいだの勝手なルールを作る始末。
そんな殿が唯一頭が上がらないのが家老の三太夫。しばらく病気療養していた三太夫だが元気になって戻ってくると、家来たちの敵を討ってやろうと殿様と将棋。
自分ルールを通そうとする殿様を許さない三太夫。理詰めで殿様に迫り殿様を追い詰める…。

わがままをいう殿様も憎めないし、殿様に説教をする三太夫にも殿様に対する優しさがあるし、とても楽しい。
相手の駒を切りつけて「もう死んだから動かなくなったぞ」と取り上げて、自分の駒にした途端「息を吹き返した」と言うのだが、この「技」のことを「よみがえり」と呼んだのが、なんかたまらなくおかしかった。

夢吉さん「てれすこ