りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

らくご街道 雲助五拾三次之内 酒

2/19(水)、日本橋公会堂で行われた「らくご街道 雲助五拾三次之内 酒」に行ってきた。

・雲助「呑める」
・雲助「幇間の炬燵」
〜お仲入り〜
・雲助「駱駝」

前回までが長講だったので、今回は「酒」というテーマで小休止ってことなのかな。
私は長い重たい噺より、バカバカしい滑稽噺が大好きなので、こういう企画は大歓迎だなー。

「呑める」
雪で大変でしたね、というまくら。
昔は雪が降ったりしたら弟子が飛んできてくれたもんだけど、今は弟子もえらくなっちゃって来てくれなくなっちゃった。仕方ないから自分で雪かきしたんだけど、結構早い時間から出て行ってかいていると、そんな時間でも通勤の人がいる。見ていると少しでも雪のないところを気を付けて歩いてきていて、自分が雪かきしたところではちょっとほっとして歩いている。通り過ぎる時に「ありがとうございます」と声をかけてくれる人が何人かいた。
そんなふうに人からお礼を言われるなんてここ何年も何十年もなかったことで、「ああ、おれ今なんか世間の役に立ってる」と普段感じることのない気持ちを味わった。

「呑める」
「つまらない」と言わせたくて「つまるかねえ?」と言う男の表情がやたらとおかしい。
単純な噺なのになんでこんなに面白いんだろう。
25年ぶりぐらいにやったと言っていたけれど、めちゃくちゃ面白かった。これから寄席で見ることがあるかも。

幇間の炬燵」
話し始めてすぐに「按摩の炬燵」だ!と思ったのだけれど、なんとこちらは按摩じゃなくて幇間!こういう版もあるのね、と驚き。
この幇間が嫌な奴でみんなに嫌われている。なぜならぱーぱーぱーぱーお世辞を言うんだけど、これがお世辞というよりは嫌味。人が言われたくないようなことをちくちく言う。お化粧が濃いだのそう言われて泣けばおしろいがはげちゃいますよ、だの。
嫌な奴だからコタツにされても気の毒な感じがなくて後味が悪くないのか。なるほどー。

「駱駝」
メリハリがありすぎてちょっと苦手な噺なんだけど、雲助師匠の「駱駝」はよかった〜。
半次の怖さが目つきの悪さと低い声で表現されていて、こわかっこいい。
らくだが死んだと聞いて高笑いする大家がおかしくておかしくて会場は大爆笑。えばっていて怖い感じが伝わってくる。
そして酒を飲んで半次と屑屋の形勢が逆転するところ。ここが好きだ〜。
2杯目まではささっと飲んで逃げたい気持ちが勝っていたのに、3杯飲んだら酒がわかってじっくり味わいながら身の上話。
飲み進めるほどにだんだんたちが悪くなっていくのが小気味いい。

あちゃあちゃあちゃあちゃと歌いながら焼き場に向かうのが楽しい楽しい。あのうれしそうな顔がしばらく頭を離れなくて思い出し笑い。
とても楽しい「駱駝」だった。雲助師匠の「駱駝」好きだ〜。