りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

リリア寄席 柳家小三治・柳家三三 親子会

2/18(火)、川口総合文化センター リリア メインホールで行われた「リリア寄席 柳家小三治柳家三三 親子会」に行ってきた。

柳家小かじ「道灌」
柳家三三「締め込み」
柳家そのじ 寄席囃子
柳家小三治禁酒番屋

小かじさん「道灌」
小かじさんの「道灌」は何回目だろう。聞くたびに面白くなってる!
噺自体がそんなに面白いわけじゃないのに、間で思わず笑ってしまう。さすが柳家…。

三三師匠「締め込み」
たまさんの独演会のゲストに呼ばれて仙台から向かったが、雪で電車が徐行運転になったりポイント故障があって遅れて、たどりつけなかったというまくら。
いやもうこれがおかしいおかしい。
最後はもうこれは間に合わない!と思って何度かたまさんに電話をかけていたら、最後高座にあがっているたまさんから電話がきて「間に合わないだろうから、電話で何か一席やってくれ」と言われた。「鰍沢かなんかを1分で」と言われ、ええええ?まわりに他のお客さんがたくさんいてみんなイライラしているところを、こうして電話で話しているだけでも怒られそうなのに、ここで鰍沢?!と思いながらも、来てくれたお客さんに申し訳ないし…と、まわりを気にしながら小さな声で鰍沢
話していたら「だめや。車掌のアナウンスの声とかぶっとる!」。
そりゃそうだ。あちら(車掌)は伝えなきゃいけないから遠慮なく大きな声を出せるんだから、と。

まくらがどっかんどっかんうけて気持ちよさそう〜に「締め込み」。
リズムがよくて間がよくて聞いていてどんどん乗ってきて楽しい。
奥さんが家出をしようとしていると誤解してカンカンになってる旦那に気が付かずに「湯に行く?それとも先に酒?お湯?酒?」と調子よく聞く女房がなんともいえずかわいくておかしい。
旦那に出てけ!と言われて、あなたがあたしに惚れて両親にどうしても結婚させてくれと頼んで夫婦になったんじゃないか!と言いたてる女房に、「(プロポーズの言葉を)一字一句間違えずに言いやがって」と言う旦那がおかしい。
どろぼうが出てきて事の次第が分かると、どろぼうに感謝申し上げる夫婦がまたおかしい。

そのじさんの寄席囃子
今回で2回目のそのじさん。品がよくてかわいらしい。
太鼓が難しそうだなぁと思って聞いていると、叩いているのは三三師匠で、打ち合わせなしでちゃんと合わせて叩いていると。さすが。

小三治師匠「禁酒番屋
バリで行方不明になった日本人のニュース。
ああいうのはどうなんですか。やっぱりわざわざ危ないところに行って危ないことをして人様に迷惑かけてって、そういうふうに言われちゃうんですか。
私はあれを聞いてね…。身につまされましたね…。
ああいう「もぐり」を楽しんでやってた時期もありますしね、あぶねぇことっていやぁそうだけど楽しいしね。

あの、オリンピックでメダルをとった競技。あれだってずいぶん危ないですよ。
ほらこうなってるところをわざと上にびゅんと行ってまたこっちにびゅんと戻って。(スノーボードのことを言ってるらしい)
あれだって危ないけどあれは競技でメダルとって褒められるでしょ。
あたしだってそう考えたら落語家なんてふざけたもんを職業にして!(怒った口調で)
みなさんだってまじめな顔して会社なんかに行って!(怒った口調で)

バリ島の話を始めた時は、小三治師匠はいったいどういう考えなのかなと思ったんだけど、そういうふうな話なのね、と驚くやらおかしいやら。
大御所と言われる人だけど、およそ大御所らしくないっていうか、若い頃のやんちゃなところがそのまま残ってるっていうのが魅力的だなぁ。

それから自分はお酒は飲めないんだけど、酒飲みを観察するのは好きで…と言って、酔っぱらいのまね。
酔ってくるとこうやって自分のまわりを片付け始める人がいますね。というしぐさがおかしい。
そんなまくらから「禁酒番屋」。
小三治師匠の「禁酒番屋」は初めて。小三治師匠は多分昔から「追っかけ」が結構いたからだろうか。同じ噺をかためてやらないから、続けて見に行ってもいろんな噺にあたるのでうれしい。

番屋の役人がどんどん酔っぱらっていくのが、ほんとに目がすわってきてたちが悪くなってきておかしい。
小三治師匠は結構淡々とやる噺が多いけど、この噺だと表情や様子で笑わせるので、なんかそれがとても新鮮だった。
楽しくて楽しくて会場はどっかんどっかんと大笑いの渦だった。

会が終わって幕が下りて会場を出ようとすると、しゃがれた声でアナウンス。「バリ島の二人、見つかったそうです」。 わーーよかったーと会場は盛り上がったのだが、あとからあれは誤報だったことがわかってしょんぼり…。きっと小三治師匠もあとからわかってしょんぼりしたんだろうな…。