りつこの読書と落語メモ

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第二十七回新宿亭砥寄席 夜席 「鯉昇・萬橘二人会」

1/31(金)、新宿文化センターで行われた「第二十七回新宿亭砥寄席 夜席 鯉昇・萬橘二人会」に行ってきた。

・三遊亭わん丈「無精床」
瀧川鯉昇長屋の花見
・三遊亭萬橘「壺算」
〜仲入り〜
・三遊亭萬橘「長短」
瀧川鯉昇「芝浜」

わん丈さん「無精床」
二日連続のわん丈さん。前に天どん師匠の会の大喜利を見て「この人天然だなぁ…」という印象を持っていたのだが、前日の漫談といい今回といい堂々としていて意外に「できる前座さん」なのかも…。
「無精床」も面白かった。

鯉昇師匠「長屋の花見
今年初鯉昇師匠。好きすぎて昨年は続けて見に行き過ぎたという反省もあるのだけれど、やっぱり大好きな師匠なのでできる限りに追いかけたい。
年をまたいで「風邪っぴき」のまくらに「ネタでしょ?」という想いと「ほんとに体は大丈夫?」という心配と。
鯉昇師匠の「長屋の花見」、いつか見てみたい!と思っていたので、うれしい。
貧乏エピソードも鯉昇師匠がやると「そういうこともあるのかな」と思わせておかしい。
大家が用意した食べ物も鯉昇師匠ならではのアレンジがあって楽しかった。

萬橘師匠「壺算」
いつでも一緒に出る噺家のブラックな悪口を言う萬橘師匠。今日はどうする?と思ったら、さすがに鯉昇師匠のことは悪く言わないのね。わははは。
「この二人会はうれしい。今年はどの占いを見ても運勢が最悪なんだけど、新年そうそうこういう会に出させてもらって縁起がいい。」と珍しく(!)謙虚な言葉。やっぱり鯉昇師匠ってすごい人なんだね!とファンとしてはうれしくなったり。

私はどちらかというと爆笑系よりじんわり系の方が好きなんだけど、萬橘師匠は大好きだなぁ。
「壺算」も兄貴が店員を言葉巧みに騙すのではなく、店員が自ら自滅していくんだけど、それがめちゃくちゃおかしい。
あんまり好きな噺じゃないんだけど、テンポが良くてバカバカしくて大爆笑だった。

萬橘師匠「長短」
萬橘師匠の気の長い男は気が長いというより頭が足りない…?
さすがにこの噺はじんわり系の噺家さんがやった方が合ってる気がする、と思っていたんだけど、オチが最高で「そうきたか!!」といっきに好きになってしまった。

気の長い男がやってきたときに気の短い男が「今蕎麦を頼んだんだけど、女房の分をお前食っていいよ」と言う。追加で頼めばまたあっという間に届けてくれるんだから、と。で、女房に向かって「お前そういうわけだからなんか好きなもんを追加で頼んでおきな。なにを食ってもいいからよ」と言う。
「長短」でそばを頼むというかたちは初めて見たなぁと思って見ていたら、そのあとはタバコに火をつけるところのやりとり。
気の短い男がきぃーーーーっとなって怒って、言われた気の長い男が「だから教えるんじゃなかった」と言って普通はそれがサゲになるのだが、そのあとで女房が気の長い男に声をかける。「あたし、天ぷらそば」。
…今まで考えてたのかーい!!

鯉昇師匠「芝浜」
短いまくらでいきなり「お前さん、起きておくれよ」。
ええええ、芝浜ーー?!
私以外のお客さんも同じような反応でいっきに会場が期待感に包まれた。

鯉昇師匠の「芝浜」もいつか見てみたいと思っていたのでうれしい。
女房が勝五郎に嘘をつく覚悟を決めて起こすところで一瞬ためらう様子を見せたり、女房が貧乏だから着物が買えなくて浴衣を二枚重ね着していたり、細かいところが丁寧で世界に引き込まれる。
女房の告白を聞いて「お前えれぇなぁ」と素直に言う勝五郎の人柄のよさ、女房に酒を勧められて心底嬉しそうで「俺が飲みたいって言ったんじゃなくてお前が飲めって言ったんだからな」と念をおすところ、そして最後のセリフ。
いやらしくなくくさくなく、だけどしんみりと泣ける、芝浜だった。よかった〜。