りつこの読書と落語メモ

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ほろびぬ姫

ほろびぬ姫

ほろびぬ姫

★★★★

あなたはあなたが連れてきた――サスペンスとたくらみに満ちたハードな愛の物語。嵐の日、あなたは、行方不明だった弟を連れて来た。あなたに瓜二つのあなた。そして言った、「僕は死ぬんだ」―― 幸福な結婚生活を送っていると感じていた「私」に、ある日訪れた不可解な出来事。女が男を愛するとき、取り替え不可能なもの、確かなものとは何か。翻弄しようとするものたちに挑む、静かで激しい「私」の物語。

ある日夫が行方不明だった弟を連れてきた。
まじめで優しい夫と比べると粗野で感じの悪い弟。しかし夫は弟に自分の服を貸して着せたりして自分と瓜二つであることを強調しようとしているよう。
明らかに嘘をついてなかなか家に帰ってこない夫は浮気をしているのだろうか。それとも突然現れた弟に何か関係しているのだろうか。
戸惑う妻に夫が告げたことは…。

夫がしようとしたことは愛なのかエゴなのか呪いなのか。
とてつもなくグロテスクにも思えるが、それも生きていくために…いや死んでいくために必要な行為だったようにも思える。
相変わらず読み終わったときに、好きなのか嫌いなのかよくわからないもやもやした感想しか抱けていないのだが、忘れた頃に印象的なシーンが浮かんでくるような作品ではあった。
やっぱり面白いな、井上荒野さん。