りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

最後の審判の巨匠

最後の審判の巨匠 (晶文社ミステリ)

最後の審判の巨匠 (晶文社ミステリ)

★★★★★

銃声に駆けつけた一堂がドアを押し破ると、俳優ビショーフが瀕死の状態で倒れていた。続発する不可解な死の背後に潜む「怪物」の正体とは? 第一次大戦前のウィーンを舞台とした、異色ミステリの伝説的作品を邦訳。

面白かった!「夜毎に石の橋の下で」とはまた全然違う雰囲気。解説を読むと(この解説がむちゃくちゃおもしろい!)ぺルッツという人は血の気が多くてバイタリティに溢れた人だったらしい。
「夜毎」を読んだときはなんか深遠な印象を受けたのだが、こちらからはちょっと禍々しさというか眉唾っぽさも漂っていて、俄然好きになった(笑)!

ある意味「なんじゃこりゃ」なミステリーにも読めるのだが、ペルッツ本人はこの作品を「ミステリー」と紹介されて激怒したそうなので、ミステリーのつもりで書いたものではないらしい。

これが1923年に書かれたなんて。創造力は時代を越えるなぁ。素晴らしい。