りつこの読書と落語メモ

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2013年・年間ベスト

2013年に読んだ本は188冊。結構たくさん読んだなぁ。
新旧、海外国内織り交ぜて読むように心がけているのだが、昨年に限って言えば海外の方が印象に残っている作品が多い。
その代わりと言ってはなんだが、国内では落語関係の本やエッセイをたくさん読んだ一年だった。
ネットのおかげで読みたい本は増殖する一方。ありがたや〜。

まずは国内作品10冊。

1位:「海賊女王」(皆川博子

海賊女王(上)

海賊女王(上)

海賊女王(下)

海賊女王(下)

これは本当に素晴らしかった。
史実とフィクションの融合が見事で、魅力的な登場人物と一緒に、本来であれば自分が体験するはずのない世界を一緒に生きたような気分を味わえる。
物語を読む楽しさがぎゅっと詰まった作品。素晴らしい。

2位:「本格小説」(水村美苗

本格小説〈上〉 (新潮文庫)

本格小説〈上〉 (新潮文庫)

本格小説〈下〉 (新潮文庫)

本格小説〈下〉 (新潮文庫)

これも素晴らしかった。
「海賊女王」のような壮大なストーリーではないのだが、物語のうねりのようなものが確実に存在していて、まさに「ページをめくる手を止められない」。

3位:「工場」(小山田浩子

工場

工場

なんじゃこりゃー?と読んでいる間にやにやが止まらなかった作品。とんでもなく好みだった。
次回作も楽しみな作家さんだ。

4位:「ソロモンの偽証」(宮部みゆき

ソロモンの偽証 第I部 事件

ソロモンの偽証 第I部 事件

ソロモンの偽証 第II部 決意

ソロモンの偽証 第II部 決意

ソロモンの偽証 第III部 法廷

ソロモンの偽証 第III部 法廷

出版されたときからすごく評判が良かった作品をようやく読んだ。
中学生が自分たちで裁判を行うという一見無理がある設定を用いながらも、最後まで読むと、中学生だから良かったのだと思わせる説得力。
宮部みゆきはもう本格的なミステリーは書かないつもりなのかもと思った時期もあったのだがそんなことはなかったのだな。
またこういう作品を書いてほしい。

5位:「何者」(朝井リョウ

何者

何者

この人のみずみずしさが大好きなのでつい甘くなってしまうのだが、この作品も若者らしい感性に溢れていてとても良かった。
自分が体験したばかりのことを少し離れたところから客観的に見つめる冷静さと、当事者として痛みをきちんと受け止める感受性を備え持っているところが、この人のすごいところ。

6位:「ふる」(西加奈子

ふる

ふる

この人も無条件に好きなのでなにを読んでもぐっときてしまうんだけど、これもとても良かった。
長女に朝井リョウ西加奈子を勧めたら、「朝井リョウはわかりすぎるだけに痛くて読んでいて辛い。西加奈子の方が断然好き」といわれたのも面白かった。

7位:「スタッキング可能」(松田青子)

スタッキング可能

スタッキング可能

自分の書いた感想を読み返してみたら「奇妙な味わいがあるけどすこぶる真っ当」と書いてあってちょっと笑った。

8位:「ま・く・ら」(柳家小三治

ま・く・ら (講談社文庫)

ま・く・ら (講談社文庫)

小三治師匠、好きすぎる。

9位:「雲助、悪名一代 芸人流、成り下がりの粋」(五街道雲助

雲助師匠が好きだから…というのももちろんあるのだが、自分の半生や落語についての想いをものすごく率直に語っていてとても面白かった。
小三治師匠の本と同様に、読み終わって「落語は人だ」という想いを新たにした。

10位:「忘れられたワルツ」(絲山秋子

忘れられたワルツ

忘れられたワルツ

「ああ、なんかわかるー」と「え?なにそれ?わからない」のバランスが絶妙だった短編集。
絲山秋子、もっと読んでみたい。

海外の方は10冊に絞れなかったので15冊。

1位:「双眼鏡からの眺め」(イーディス・パールマン

双眼鏡からの眺め

双眼鏡からの眺め

アーヴィングとどちらにしようかと迷ったんだけど、初めて読んだ作家さんでこの感動!ということでこちらを1位に。
短編といって侮ることなかれ。とりとめがないようでいてぞっとするほどいい。

2位:「ひとりの体で」(ジョン・アーヴィング

ひとりの体で 上

ひとりの体で 上

ひとりの体で 下

ひとりの体で 下

アーヴィングの最新作。
最近のアーヴィングの作品は「残りの人生をどう生きるか」がひとつのテーマになっているように思える。
この作品でもジェンダーの問題に悩み迷走を続けた主人公が、人生の後半になって成長していく姿がていねいに描かれている。
生きていく中で喪失は避けられないが、それでも全てを失うわけではない。そんな希望を抱かせる作品だった。

3位:「名もなき人たちのテーブル」(マイケル・オンダーチェ

名もなき人たちのテーブル

名もなき人たちのテーブル

11歳の少年が21日間の船旅で、大人たちの苦い人生を垣間見、かけがえのない友情を育む。
何度も読み返したくなる素晴らしい作品。

4位:「11/22/63」(スティーヴン・キング

11/22/63 上

11/22/63 上

11/22/63 下

11/22/63 下

アンダー・ザ・ドーム」は好きではなかったのだが、こちらは大好きだった。
ハラハラドキドキしながら夢中になって読んだが、読み終わった時に疾走感以上のものが残っている。やはりキングの物語力はすごい。

5位:「フリーダム」(ジョナサン・フランゼン)

フリーダム

フリーダム

大好きだった「コレクションズ」と比べるとより苦い物語。だけどいいのだ。どうにもいいのだ、これが。
人間って本当に愚かだよなぁ…そう思いながらも愛おしくてたまらなくなる。最後まで読んでこのタイトルの苦さがきいてくる。

6位:「HHhH (プラハ、1942年)」(ローラン・ビネ)

HHhH (プラハ、1942年) (海外文学セレクション)

HHhH (プラハ、1942年) (海外文学セレクション)

独特の手法で誠実に描かれた小説。他に類を見ない。

7位:「世界を回せ」(コラム・マッキャン)

世界を回せ 上

世界を回せ 上

世界を回せ 下

世界を回せ 下

これもまた独特な小説だった。読んでいて作者の熱情が伝わってくるような作品に弱い。タイトルがまた秀逸。

8位:「幸福の遺伝子」(リチャード・パワーズ

幸福の遺伝子

幸福の遺伝子

お前にパワーズが理解できるのかよ!と怒られそうな気がしないでもないが、面白かった。これ。
映画を見たのかと思うほど、ラストシーンが頭に残っている。

9位:「小説のように」(アリス・マンロー

小説のように (新潮クレスト・ブックス)

小説のように (新潮クレスト・ブックス)

短編小説でここまでのことができるのかと驚いた作品。
ノーベル賞受賞のニュースにも驚いた。

10位:「夢幻諸島から」(クリストファー・プリースト

プリーストの想像力の果てしなさを目の当たりにした作品。読めば読むほど混乱する楽しさ。

11位:「こうしてお前は彼女にフラれる」(ジュノ・ディアス)

こうしてお前は彼女にフラれる (新潮クレスト・ブックス)

こうしてお前は彼女にフラれる (新潮クレスト・ブックス)

オスカーワオに続いて翻訳されたディアスの最新作。
オスカーワオほどの衝撃はないものの、笑えて泣けて呆然とさせられて…楽しい作品。

12位:「バン、バン! はい死んだ: ミュリエル・スパーク傑作短篇集」(ミュリエル・スパーク)

バン、バン! はい死んだ: ミュリエル・スパーク傑作短篇集

バン、バン! はい死んだ: ミュリエル・スパーク傑作短篇集

スパークの新訳が出たのはうれしかった。特に私にとって思い入れの強い作品「ポートベロー通り」が1番目に収められていたのがうれしい。

13位:「盆栽/木々の私生活」(アレハンドロ・サンブラ)

盆栽/木々の私生活 (EXLIBRIS)

盆栽/木々の私生活 (EXLIBRIS)

こういう「変な小説」に出会えるのが読書のヨロコビ。

14位:「夜の来訪者」(プリーストリー)

夜の来訪者 (岩波文庫 赤294-1)

夜の来訪者 (岩波文庫 赤294-1)

久しぶりに読んだ戯曲。見事としか言いようがない。

15位:「春にして君を離れ」(アガサ・クリスティー

中学生の時に夢中になって読んだクリスティー。
大人になった今、もう一度全作品を読み直してみたいと思った。

昨年も読みながら面白くてうおおお!と興奮するような本にたくさん出会えた。本を開けば広がる世界。今年も素敵な本に出会えますように!