りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

わたしのリミット

わたしのリミット

わたしのリミット

★★★★

坂崎莉実は父親と二人暮らしの高校二年生。ある朝目覚めると父親の姿はなく、代わりに「うちの保険証を使って、彼女を莉実として病院へ入院させてほしい」という不可解な書き置きとともに、見知らぬ少女がいた―。やむなくリミットと呼ぶことにした少女はどう見ても年下なのに、莉実の身のまわりで起こった奇妙な出来事の話を聞くだけで、見事に謎を解いてしまう。不思議に大人びた彼女は、いったいどこから来た、何者なの?莉実とリミット、二人の少女がすごすひと月を、愛情溢れる筆致で描く、“謎と奇跡”の物語。

SFとして見るとやわやわかもしれないが、高校生の生活や心の動きが瑞々しく描かれていて、そこが素敵だ。
日常の謎の部分は確かに少し薄い感じもあるけれど、そういう日々の小さな出来事から得るものがたくさんあって、そういう積み重ねから自分自身が作られていることがじんわりと伝わってくる。

副担任とのエピソードがとても好きだったな。後味爽やか。