りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

海賊女王

海賊女王(上)

海賊女王(上)

海賊女王(下)

海賊女王(下)

★★★★★

十六世紀。スコットランドの高地に牧童として生まれたアラン・ジョスリンは、十七歳で戦士集団に加わり、アイルランドに渡る。そこで出会ったのは、オマリーの氏族の猛々しくも魅力的な男たちと、赤い縮れ毛を短く切った、十歳の少女グローニャ。闘いと航海に明け暮れる、波瀾の日々の幕開けだった―。

素晴らしかった。
変えることのできない歴史のうねりと人間の確かさと不確かさが圧倒的な力で持って読んでる私たちに迫ってくる。
敵なのか味方なのか、理解しあえたと思ったのは幻だったの本物だったのか。
ハラハラドキドキしながらも、魅力的な登場人物たちに魅せられて夢中になって読んだ。

史実とフィクションの融合が見事で、物語を読む楽しさがぎゅっと詰まっている。
読んでる間は日常を忘れることができた。この圧倒的な物語を書ききってしまう皆川博子は本当に凄い。素晴らしいとしか言いようがない。