りつこの読書と落語メモ

はてなダイアリーからブログに移行しました。

第十五回東西笑いの喬演 笑福亭三喬・柳家喬太郎

10/5(土)、国立演芸場で行われた「第十五回東西笑いの喬演 笑福亭三喬柳家喬太郎」に行ってきた。
なんと10/2(水)から4連続落語。さすがに疲れたよ、そしてさすがに職場でも家でもひんしゅくだよ、ママン…。
大好きな三喬師匠、上方の落語家さんだからめったに見られないのだから!と言い訳しながら、土曜日の夜にいそいそと。

笑福亭喬若「手水廻し」
笑福亭三喬「花色木綿」
柳家喬太郎「首ったけ」
〜仲入り〜
柳家喬太郎「夜の慣用句」
笑福亭三喬「三十石夢乃通路」

喬若さん「手水廻し」。
学校寄席のまくら。関西の方の学校を一日に3回まわったりすることもある。行く地方によって違いがある。
この間は落語ではなくクイズの司会をやった。低学年の子供にもわかるようにディズニーキャラクターのクイズ。物まねをしてそれが何のキャラのマネかを当てさせるのだが、最後の問題では「ぼくミッキーだよ!」とわかりやすい問題。
最初に行った学校では「はい。ミッキーマウスです」とあっさり答えてくれたのだが。
次に行った神戸の学校では一番前に座った子どもが「おっさん、答え言ってるやんけ!」。
最後に行った大阪の学校では「べたやなぁ!!」。
リズムのいいまくらで盛り上がる。やっぱりこうでないと。時々、あのまくらは何を言いたかったんだろう?(ただの愚痴?)ということがあるけど、そんなまくらならやらないほうがましだと思う。

「手水廻し」は「手水=トイレ」というのがわからない丹波の旅館の主人。
大阪から来た客に「手水廻しをお願いします」と言われてわからないとも言えず、村で一番首の長い男に来てもらって首を回して見せるのだが、客は怒って帰ってしまう。
こうなったら大阪に泊まりに行って手水廻しを見て来ようじゃないか!と二人で大阪に乗り込むのだが…。

首をまわすところが笑いどころなのだとは思うが、ちょっと動きが小さすぎた?
せっかくそれまで盛り上がっただけに、ちょっと尻すぼみな印象が残念。

三喬師匠「花色木綿」。
どろぼうネタがお得意の三喬師匠。顔がどろぼうっぽいと言われて複雑な気持ちだけど、そのおかげなのかここ何十年も刑務所に呼ばれて話をしている。他の噺家のように「慰問」ではなく「教育」。
あるときあちらから言われた日にちに他の仕事が入っていて「その日は…」と断ったら、わざわざ日にちを変えてきた。
「他の噺家さんでもいいんじゃないですか」と言ってみたら、「いや、三喬さんがいいんです。受刑者にアンケートをとったら、あの人が一番落ち着くって」。
落ち着くっていいなぁ…。わははは。

「花色木綿」はこちらでは「出来心」。大好きな噺だ。
三喬師匠の「花色木綿」は、貧乏長屋にどろぼうに入ったシーンから。
貧乏で家はからっぽで何もとられていないのに、あれもとられたこれもとられたと男のつくホラが楽しい。
最初に大家さんから言われた「裏は花色木綿」のフレーズが気に入ってなんにでも「裏は花色木綿」をつけちゃう。
羽織に紋はないのに、モーニングには紋がついていて裏は当然花色木綿。
現金360万あったと言う男に大家がさすがにおかしいと思って「なんでお前がそんなに金を持ってるんや」と言うと、「父親の遺産が入った。父親天皇家の医者で天皇の脈をとったこともある」。
黙っていられずどろぼうが押入れから飛び出してきて「天皇と知り合いだって?」と聞くと「いやこっちは知ってるけど、あっちはこっちを知らない」。

三喬師匠はリズムがよくて、関西弁の響きが優しくて心地いい。
上方の落語家さんをそれほどたくさん見たことがあるわけではないけど、やっぱり一番好きだなー。あ、米朝師匠は別格。

喬太郎師匠「首ったけ」。
いつものようにいかがわしいの大好きなまくら。B級な食べ物が好きと聞くたびに、身体に気を付けてね…と思ってしまう。ヘルシー志向の喬太郎師匠なんてつまらないけど、面白いを追及して早死にしないでほしい。
喬太郎師匠の「首ったけ」は初めて見たのだが、意地っ張りの男、口先だけの若い衆、ブチ切れる花魁、ここがチャンスと色仕掛けをしかける花魁、それぞれの人物がくっきり描かれていて、わかりやすく面白かった。

喬太郎師匠「夜の慣用句」。
「首ったけ」でいかがわしい街のまくらだったので、なんとなくまた同じような噺が続いたような印象。
できれば違う噺が聴きたかった。けど会場ではどっかんどっかんうけていた。

三喬師匠「三十石夢乃通路」。
上方のこういう船の噺って大好き。情景が浮かんできてなんかうきうきしてくる。
ぎゅうぎゅうに船に詰め込まれた人たち。あと一人女中を乗せてくれと言われるがみんな嫌がる。しかし中で一人だけ乗せてやろうと言う男が。女中って、あの待合所にいたいい女。俺の膝の上に座ってもらおうじゃないか。船から降りたら女がおれを家に誘うだろう…と妄想激しい。
実際に女中が乗り込んでくると。「待合所で”小野小町”を名乗っていたばばあやないかい!」。
途中の「なんやそれは?夜の慣用句か?!」というくすぐりがおかしかった。
地噺的な部分も楽しくて、たっぷり堪能した。