りつこの読書と落語メモ

はてなダイアリーからブログに移行しました。

第十一回楽橋亭 鯉昇・兼好二人会

10/3(木)、内幸町ホールで行われた「第十一回楽橋亭 鯉昇・兼好二人会」に行ってきた。
この会、兼好師匠のHPで知って申し込んだのだが、他のところでは告知もされていなくて、せっかくこんなに豪華なメンバーなのに、そして内幸町ホールという結構キャパのあるホールだったのに、お客さんがそれほど入ってなくて勿体ない〜。

・瀧川鯉毛「まんじゅうこわい
瀧川鯉昇茶の湯
・三遊亭兼好「三枚起請
〜仲入り〜
・三遊亭兼好「孝行糖」
瀧川鯉昇粗忽長屋

鯉毛さん「まんじゅうこわい」。
私の名前は師匠の夢を体現しております「鯉毛(濃い毛)」。
つかみはOKだったのだが、話が今一つ聞き取りづらい。大きな声ではっきり聞き取りやすいように話すって結構難しいんだな。がんばれ〜。

鯉昇師匠「茶の湯」。
まくらでは富士登山の話。昔、富士山の登頂で落語会をやったことがある。
テレビ局が高座やスピーカーを用意してくれて、ご来光を済ませた登山客200名の前で落語をやる。
確かに観客の数は多いのだが、みな疲れ果てて笑う気なんか毛頭ない。笑い声は一切なく、時々もれるのが「はぁ…」というため息という不思議な落語会だった。
また、屋形船で花火見物の場所取りをしている時間をつなぐ落語というのに呼ばれたこともある。
自分が乗った船は20名ぐらいしか乗れない屋根もない船で、そこに椅子が進行方向に向かって並べてある。周りに屋形船があるからよかったようなものの、私のいた船しかなかったら間違いなく難民船。
しかも途中から大嵐になってしまい、客が半分ずつに分かれて外の方向を見ながらブルーシートを持ち上げて自前の屋根。結構体力を消耗してよれよれになっているところに、テレビ局の人が「それではここで一席やっていただきましょう」。
シートを持ち上げながら落語をやったけれど、嵐の音にかき消され、何がなんだか…。

鯉昇師匠の「茶の湯」は初めて聞いたのだが、泡立たせるためにママレモンを入れたりするほかは、わりとオーソドックスなかたち。
でたらめだけど楽しげに茶の湯をやるご隠居さんがかわいらしい。

兼好師匠の「三枚起請」。
大好きな鯉昇師匠との二人会なんてこんなにうれしいことはない。落語家で「かた」になるのはとても名誉なこと。たいていは死んでから「これは小さんの型だ」とか言われるようになるが、鯉昇師匠はまだ生きているのにその「かた」でよばれているのは凄い。
「師匠にばれるとまずいんで、鯉昇しといて」
「それは鯉昇でおねがい(と口の前に人差し指)」
高座に上がって喋らずに客席を見まわす鯉昇師匠のかたちになぞって、黙っていることを「鯉昇する」と言うと。嘘でしょ?わははは。

三枚起請」は、同じ花魁にだまされた男3人の軽妙な会話が実に楽しい。
リズムよく、三味線のマネをしたり啖呵を切るのが気持ちいい。
客席が兼好師匠の落語にうわーーーと惹きつけられていくのが肌で感じられてぞくぞくっ。迎える拍手より送りだす拍手が大きいというのを体感。素晴らしい。

兼好師匠の「孝行糖」。
私、公務員の不祥事が出ている記事が好きなんです、という兼好師匠。
最近一番面白かったのが、60歳になる都庁職員が職務中にアダルトサイトを見ていたという記事。この職員、サイトを見ただけではなくプリントアウトしたらしい。
家で見ればいいじゃないかと言われたら、家にはPCがない、と。
だったら携帯で見ればいいじゃないかと言われたら、携帯からだとプリントアウトできない。
あくまでもこの人にとってはプリントアウトできるかどうかが大事なんですね。
結局クビになったらしいんですが、なぜクビにするんでしょう。こういう人こそ残すべきです。だってそうでしょ?普通60歳になったらもうあと少しだから安全に行くじゃないですか。失敗のないように仕事もできるだけやらないようにして何か頼まれても聞こえないふりをして、とにかく何事もなく定年を迎えられるように…それが普通です。
それをこの人は仕事中にアダルトサイトを見るだけでなく印刷までしようとした。とんでもないバイタリティです。
もっとこの人をうまく使えば…。たとえば残業しても残業代は払わないかわりに1枚プリントしていいよ、とか。そうしたらすごい力を発揮したかもしれません。

まくらで爆笑をさそったあとは「孝行糖」をあっさりと。
明るく軽くリズムよくかわいい高座。

鯉昇師匠の「粗忽長屋」。
「男は死体(したい)、女は遺体(痛い)」のまくらから、「粗忽長屋」。
前に喬太郎師匠との二人会で見たが、やはり今回も長屋中が粗忽。
行き倒れの現場を仕切っていた饅頭屋の主人。粗忽な長屋の人たちが大挙して押し寄せて亡骸を引き取ろうとしたところで、見物人たちがみな帰ろうとすると、「行かないで〜。私を一人にしないで〜」と叫ぶのがおかしい。

ゆったりの鯉昇師匠と軽快な兼好師匠、最高の組み合わせ!またこの二人でやってほしい!