りつこの読書と落語メモ

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第五百四十三回 落語研究会

9/30(月)、またまたチケットを譲っていただいて「第五百四十三回 落語研究会」に行ってきたのである。

・三笑亭夢吉「思い出」
・立川生志「あたま山
柳家小満ん「品川心中」
〜仲入り〜
柳家さん喬天狗裁き
五街道雲助「お初徳兵衛」

夢吉さん「思い出」。
夢吉さんは以前一之輔師匠との二人会で見たことがある。

落語研究会では毎回パンフレットがもらえてネタ出しされている。
「本日もパンフレットを見ていただきますと、あたま山、品川心中、天狗裁き、お初徳兵衛と、落語の中でもきちんとした噺ばかりでして。その中で私だけ、”思い出”ってあって、お前の思い出語りかい!と思っているお客様もいらっしゃるかとは思いますが、そうではありません。そういう噺なんです」と。

古着屋が上流家庭の家に出向いて行って古着の買い付け。
奥様が自分の古くなった着物や亡くなった旦那の羽織を出してくるのだが、着物の傷を見つけて値切る古着屋に、奥様がこれにはこういう思い出があってと泣き崩れ、古着屋を困らせる、という噺。

単純な噺なのだが、プロっぽく古着を検分する古着屋に対し、奥様がよよよっと泣き崩れ、思い出を語るうちに感情が高ぶって古着屋に詰め寄って行くのが、なんともいえずおかしい。
また夢吉さんの奥様がなかなか上品でかわいらしくチャーミングなのだ。
夢吉さんは宮治さんと似ていると言われるけれど、私は断然夢吉さんの方が好きだ。元気がよくて明るい高座だけど、メリハリがあっていい。

生志師匠「あたま山」。
談志師匠との思い出をつらつらと。談志師匠と二人で出かけた時に駅前の立ち食いそばに立ち寄ったときのこと。
談志師匠が「おめぇ何食いたい?」と聞いてきたのだが、このときの答えようが難しい。 天ぷらそばなんて言うと「そんな高いものを言いやがって」と怒られる。かと言って、かけそばと言うと「しみったれが!」とまた怒られる。
考えた末に「月見そば」と答えると、「お、いいねぇ!」とにっこり。
ところが師匠は月見そばを頼んで自分だけ食べ始めた。なんだ、おれも食っていいっわけじゃなかったのか。がっかりしていると師匠が「おまえ、なんでくわねぇんだ?」と言う。
え?だって俺の分はありませんし、と思って見ると、談志師匠はそばの左側を食べていて、右側は生志のために残しているつもりらしい。
「じゃ、遠慮なく」と箸を割って右側を食べ始めたが、談志と顔をくっつけあって食べるのが、まあ難儀で難儀で…。
うへぇ、それは確かに嫌だなぁと大笑い。

あたま山」は初めて聞いたのだが、こういうシュールな噺は好きだー。
さくらんぼの種が育って頭の上に桜が咲くなんて…ファンタジーだよなぁ。
短い噺だからなのか、途中で脱線して他の噺(「百年目」「長屋の花見」)が出てきたり、くすぐりもたっぷりで面白かったのだが、今日のトリの「お初徳兵衛」をちょろっとやって、「全然面白くない。こんな噺をやるやつの気がしれない」。

立川流は正直をモットーとしているということで、結構高座で他の噺家の悪口を言うけれど、そういうのあんまり好きじゃないんだよね…。
特にこれから出る人の悪口を言うなんて。すごくがっかりした。

小満ん師匠「品川心中」。
「品川心中」は前に鈴本で金馬師匠のを見たことがあるのだが、結構好きな噺。
小満ん師匠独特の符丁が楽しい。心中の相手に選ばれた男のせこさと調子のよさがかわいい。
また金馬師匠の時は品川の海から這い出すところで終わったのだが、今回はそこから親方の家によれよれの姿で戻るところまでで、そのドタバタがまた楽しかった。
この後どうなるんだろう。いつか後半を聞いてみたい。

仲入り後はさん喬師匠「天狗裁き」。
天狗裁き」は先週鈴本で聞いたばかりだったので、ちょっと残念。

雲助師匠「お初徳兵衛」。
前に「らくご街道」で「船徳」から通しで聞いたことがある。雲助一門会ではこれを弟子とリレーでやることもあるらしい。
確かにこれをやる噺家は少ないだろうな。好き嫌いがわかれそう。