りつこの読書と落語メモ

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寄席おもしろ帖

寄席おもしろ帖

寄席おもしろ帖

★★★

人気の紙切り三代目正楽と「新宿末広亭」著者長井好弘が二年間、丁々発止とわたりあった『読売新聞』日曜版コラムが一冊に。妙趣にあふれる芸人噺と鮮やかな紙切りの競演。寄席の面白さを伝える極上の落語・演芸ハンドブック。

面白かったけど少し古くて、すでに亡くなってしまった噺家さんの話も多くて、そこが寂しくもあり味わい深くもあり。
嫌いな落語家が誉められていて「ええ?あれのどこが面白いのー?」とイラっとしたりもするのだが、寄席の楽しさがたっぷり詰まっていて、読んでいてにこにこしてしまう。

「師匠んちの冷蔵庫に桃とパイナップルの缶詰があったんです。「食っていいのかなあ」「いいんじゃないの」。前座五人で回し食い。「あーうまかった」ってところに、二回から師匠の小さんが下りてきた。「あっ!」という声を聴いて、全員裸足で表へ飛び出した。恐る恐る戻ったら、小さんは「食うなっていってるんじゃねえ。食うなら一声かけろ」と言うだけ。でも、階段を上がる後ろ姿が寂しそうでね、途中でため息をついて「楽しみにしてたのに」
柳家さん喬

今では「大御所」になった師匠たちの前座のころの話が面白い。
中にいれば人には言えない苦労や嫌な思いをすることもあるのだろうけど、こういうエピソードを聞くと、落語家ってなんかいいなぁ…と思う。