りつこの読書と落語メモ

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白雪姫には死んでもらう

白雪姫には死んでもらう (創元推理文庫)

白雪姫には死んでもらう (創元推理文庫)

★★★

空軍基地跡地の燃料貯蔵槽から人骨が発見された。検死の結果、11年前の連続少女殺害事件の被害者だと判明。折しも、犯人として逮捕された男が刑期を終え、故郷に戻っていた。彼は冤罪だと主張していたが村人たちに受け入れられず、暴力をふるわれ、母親まで歩道橋から突き落とされてしまう。捜査にあたる刑事オリヴァーとピア。人間のおぞましさと魅力を描いた衝撃の警察小説!

前作に比べると軽めではあるけれど、嫌な話だ。
11年前の少女殺害事件の犯人として逮捕された男・トビアスが刑期を終えて故郷に戻る。 トビアスを迎えに来たのは幼馴染で今では女優になったナージャ
久しぶりに我が家に帰ってみれば、父親が経営していた店は潰れ、両親は離婚し、家も畑も荒れ果てている。
11年前の事件について冤罪を主張してきたトビアスだが、物的証拠は明らかに彼が犯人であることを示しており、聞き入れられることはなかったのだ。

彼に対して不利益な証言をしながらも何かと親切にする工場社長クラウディウス
娘を殺されてから自暴自棄な暮らしをして彼への復讐を誓う家具職人。
村の居酒屋に集まって「殺人犯を許すな」と息巻く村人たち。
ああ、重苦しい…(笑)。

小さな村での空気の読みあい、保身、いじめの描写に、真綿で首をしめられるような苦しさを感じる。
集団リンチのおぞましさよ。
こういう村のしがらみを読むと、ドイツ人と日本人は何か似たものがあるのではないかと思う。

そして事件を追うオリヴァー、ピアもそれぞれ個人的な問題を抱えている。
警察小説だから仕方ないのかもしれないが、みんな問題抱えすぎ、仕事にプライベート持ち込みすぎ。
特にオリヴァー。殺人事件と妻の浮気が同じ次元で描かれてることにも違和感を感じた。

前作は面白かったけど、本作はそれほどでもなかったなぁ。今私があまりミステリーを読む気持ちじゃなかったせいもあるかもしれないけど。
シリーズとして追いかけるほど登場人物に魅力も感じなかった。