りつこの読書と落語メモ

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初代三遊亭天どん真打昇進披露特別公演「天は何を見ているのだ」新作の日 昼の部

9/1(日)、成城ホールで行われた初代三遊亭天どん真打昇進披露特別公演「天は何を見ているのだ」新作の日 昼の部に行ってきた。
どの落語会に行ってもこのチラシが入っていて、行きたいなあと思いながらも、土曜日は「よってたかって」の予定が入っていたし、日曜日は出かけたくないし…と、見送るつもりでいたこの会。
ノラやの天どんさんと玉々丈さんの二人会の打ち上げで、天どんさんに「披露公演のチケット買った?」と聞かれ、思わず正直に答えると「え?土曜日はよってたかって?じゃ、日曜日は空いてるね?」と言われ、「はははい…」。
さんざん行けないよーと言っていたのに土壇場でご本人からチケットを売りつけられる(!)という…。これを縁と言わずになんと言おう。
というわけで行ってきたのである。

古今亭駒次「お世継狂想曲」
春風亭百栄「船越くん」
春風亭昇太「マサコ」
三遊亭圓丈「悲しみは埼玉に向けて」
〜仲入り〜
・彦いち・百栄・天どん・圓丈・昇太 口上
林家彦いち「掛け声指南」
・三遊亭天どん「カベ抜け」

百栄師匠「船越くん」
「天どんくんとは前座時代を2年ほど一緒に過ごした仲で」と言う百栄師匠。
前座を一緒にやった人とは「戦友」という感覚がある。
天どんさんに「新作作ってるの?」と聞くと「ええ。書いてます」。当時自分はバリバリ古典派だったから「へぇ〜そうなんだー」と言いながら、「ふっ」と見下していたところがあった。
それが今では自分はほとんど全部新作で、天どんさんは古典もしっかりやりながら新作を作っている。すっかり立場が入れ替わってしまった、と。

二つ目になったのも同じぐらいの時期で、二人ともとても暇でそのころはよく飲みに行った。
悪徳プロデューサーに声をかけられて、あやしいユニットを組んだこともあった。
暇だしお金もないし出かけないしで当時家でやたらと昼のドラマを見ていた。という話から「船越くん」。

2時間サスペンスドラマのパロディ噺。
船越くんに断崖絶壁に呼び出されたのは、最近円満離婚をした夫婦。
お互い未練もないし後悔もないというのに、船越くんとなぎささんの巧みな話術に翻弄されて、どんどん犯人っぽくなってくる元旦那。
妻の方はくらっときつつも「ちょっと待って!おかしいわよ、これ」と我に返る。
その気になって行く旦那が面白くて大笑い。

昇太師匠「マサコ」 登場するなり百栄師匠のことを「あれはなんですかね」「よく成城ホールまで来ましたね」と。
百栄師匠は三ノ輪に住んでいるらしいのだが、あそこは駅を降りると靴磨きの子どもが群がってくるとか、飲み屋ではメチルアルコールを出してくるとか、ボロクソ。
でも昇太師匠が言うと毒気がないから、まったく嫌な感じがしない。
しかもあの髪型はなんですか。僕も天パなので放っておくとくちゃくちゃっとなっちゃうんですけど、それをこうやってきれいにまとめてるじゃないですか。きれいにしようという努力のあとが見えるじゃないですか。
それが百栄くんはあのきったない頭。どう注文したらあんな頭になるんですか。
そこでたまらず百栄師匠がステテコ姿で登場。期待通りのきちゃない姿に会場は大爆笑。

そんなまくらから「マサコ」。
明るくて軽くてリズムがよくて気持ちよくわらえる。
昇太師匠を見るといつもいいもの見れた!とラッキー感がついてくる。

圓丈師匠「悲しみは埼玉に向けて」
ノラやでいろいろ話を聞いていたので、ああっ確かにこの人は難しそう!おとなげなさそう!とそれだけでおかしくてしょうがない。
昇太師匠がその前にさんざん三ノ輪をバカにしていたこともこの噺のまくらになっていてたまらない。
そこはかとなく漂う昭和風味がまたよかった。

真打披露目口上
真打お披露目のもっと厳かにやるのかと思っていたのだが、ラフといおうかグダグダといおうかぶっちゃけモードといおうか…。みんなマイペースだわー(笑)。
百栄師匠が甥っ子の披露宴に呼ばれて一言もいじられなかった話をすれば、昇太師匠も天どんさんにはなんの思い入れもないようなことを平気で言い、圓丈師匠も涙も感動もない口上。
ある意味人徳?いやもう大爆笑。

天どん師匠「カベぬけ」
大きな拍手で迎えられた天どん師匠。「カベぬけ」。おお、これを披露目でやるか!というか、ここでやるためのリハーサルだったのか、ノラやは!
「私に対しての思い入れがないことがばればれの口上でしたね」「新作の人は嘘がつけないですね」には笑った。
話せば話すほど自爆していく姿は、日比谷野音の時のスネオヘアーを彷彿とさせるなぁ…!
ハレの日が似合わなくて素敵だ、天どんさん。

せっかくの席なのに、ノラやのとき以上に「おえぇぇぇ」をリアルにやり、途中で「思ったよりうけなかったぞ」とか「ここがめんどくさいな」とぼやきも入り、しかし最後まで見るとなぜか後味爽やか。
天どんさん、最近女性ファンが急増中と聞くけれど、確かに今何かオーラのようなものが出ているような気がした。