りつこの読書と落語メモ

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雲助・白酒 こわ〜ぃづくしの会

8/8(木)、らくご@座・高円寺で行われた「雲助・白酒 こわ〜ぃづくしの会」に行ってきた。
仕事が忙しくなってきてこの日もチケットは無駄にすることになるかと半分あきらめかけていたのだが、会場が近いこともあって「え〜い!途中からでも行ってしまえ!」とやけくそで会社を飛び出した。
到着した時、ちょうど開口一番が終わったところ。汗をダーダー流しながらどうにか滑り込んだ。せ、セーフ!

桃月庵白酒「猫と金魚」
五街道雲助「もう半分」
〜仲入り〜
五街道雲助お菊の皿
桃月庵白酒「化物使い」

最初に登場したのは白酒師匠。
こわ〜ぃづくしというので怪談特集か?と思っていたのだが、そういうわけではなく。
「広い範囲でのこわ〜ぃです」と言う白酒師匠。

白酒師匠はお化けも怖ければ動物全般が怖いのだと。
前座で雲助師匠の家に通っていた時も、師匠宅の犬が怖くて仕方ない。犬といっても小型でモップみたいな毛に覆われたかわいい犬。だけど怖い。大小に関わらず犬が怖い。なぜなら子どもの頃犬にかぷっとかまれたことがある。
「あーかわいいーかわいいー」と頭を撫でていたら、その直後にかぷっとやられた。絶妙のタイミング。どうしてだかわからない。
同じように猫のことも「かわいいーかわいいー」と撫でた後に、しゃーーー!!と引っかかれたことがある。
あいつら目に表情がなくて怖い。

雲助師匠の家に行ってた時も、自分の後に馬石が入ってきてからは、「おれが掃除しとくから犬の散歩に行ってくれよ」ともっぱら犬の世話は馬石に押し付けていた。
そのあと龍玉が入ってきて、犬の中でも順位づけができて、それ以来犬にもある程度の地位を認められたらしく、いまではそんなに怖くなくなった。
ちなみに犬の中での順位は「雲助師匠→おかみさん→雲助師匠の子ども→白酒→馬石→犬→龍玉」だと。
なにせ龍玉は犬に対しても敬語を使う。掃除をしていて犬が邪魔な位置にいると「あのーすみません。ちょっとどいていただけますか?いいですか?」などと言いながら掃除をしている。だからあいつは犬よりも下の地位になってしまったのだ、と。

噺は「猫と金魚」。
え?これってなにか怖いところがあったっけ?と思っていると、登場人物たちがやたらと猫を怖がっている。
自分のかわいがってる金魚を食べる猫をどうにかしろと頼まれた番頭さんが猫が怖い。
だったら近所で評判の「強い」寅さんに猫をどうにかしてもらおうと呼んでくると、寅さんも猫が怖い。
オチを言ったあとに「これじゃ終わらねぇよ!」と新しいオチを。
まるで怖くなかったけれど、汗だくの熱演でただただ楽しかった。

次に登場した雲助師匠。
怪談噺をやるときのスタイルを説明したあとに「私の場合はそういうことはしません。なぜなら金がかかる。」
じゃどうするかと言うと、客電をちょっと落とす。これだけでなんだかこわ〜い雰囲気になる。
あと怪談噺を始めると寝始める人が結構いる。寝てもらっても結構なんだけどイビキは困る。隣の人がイビキをかきはじめたらちょっとひじでつついて起してください。
確かに噺が進むにつれ、隣の人も後ろの人もすやすや寝息…。イビキはなかったけど「むー」って声も聞こえてきて、おかしいやらなにやら…。もうこれ自体が落語だな。

「もう半分」。
最前列に座っていたこともあって、これがもうかなりの緊張感。怖いのも怖いけれど、雲助師匠の一挙一動に目が釘付け。所作が美しい…。
酒屋の主人の悪党ぶりが凄い…。おかみさんも性悪な感じだし…。おじいさんを追いかけて行って包丁を突きつけるところはまるでお芝居を見ているよう。
最後の「もう半分」と茶碗を差し出す赤ん坊のこわさも格別だ。

仲入り後は雲助師匠。
今度は「いやん、怖い」のこわい噺をと「お菊の皿」。
雲助師匠の「お菊の皿」は鈴本で一度見ているのだが、もう本当に好き。いろんな人がやるけれど、雲助師匠の「お菊の皿」が一番面白いと思う。

最初に出てきたときのお菊さんの儚さと恐ろしさ。
だんだん芸がこなれてきてお客さんと会話をかわすお菊さんのかわいらしさ。
そして一代興行になって擦れてしまったお菊さんのはあだっぽさ。
なんとも魅力的でリズムがよくて気持ちよく楽しい。

トリは白酒師匠。
前に対談で白酒師匠が、雲助師匠はトリをとりたがらないと言っていたけど本当にそうなんだなぁとちょっと笑ってしまう。
大師匠の方針で一門で食事に行けば有無を言わさず大盛りを人数分注文する柳家と、好きなものを好きなだけ頼めよと言う古今亭。
お店の人の出る番がないくらいくるくるとよく働く柳家と、店の人にやってもらえばいいんだからと動かない古今亭。
特に雲助師匠は昔から大物然としていて動かなかった。白酒師匠が入門した時、権太楼師匠やさん喬師匠は宴会の席でもビールを持ってあっちこっちにお酌に行っていたけれど、雲助師匠は奥の方にでーんと座っていて動かない。師匠がそうだからそれでいいのかと思って自分も前座のくせに隣に座ってビールを飲んでたら「お前は大御所か!」と怒られた。
どっちがいいとは言いませんが…と言いながら、明らかに師匠のことをのろけてる。悪口は好きじゃないけどこういうはなしは聞いていて楽しい。

噺は「化物使い」。
人使いの荒いご隠居は、若林さん。師匠が袖で聞いてるかもしれないけどいいんだ?わははは。
4番目に出てきた化物は「小三治」で、なんだお前は前置きが長くて話がくどい!って。きー。
ちょっとやりすぎなのでは?というところもあったけど、まったく怖くないひたすら爆笑の「化物使い」だった。