りつこの読書と落語メモ

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赤く微笑む春

赤く微笑む春 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

赤く微笑む春 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

★★★★★

エーランド島石切場のそばのコテージに暮らしはじめたペール・メルネル。ある日彼のもとに、疎遠にしていた派手で傲慢な父ジェリーから、迎えに来るよう求める電話が入る。渋々父の別荘に赴くと、そこに待っていたのは謎の刺し傷を負った父だった。そして直後に別荘は全焼する。なぜこんな事件が起きたのか? 娘の病気などの悩みを抱えながらも、ペールは父の暗い過去を探りはじめる――。エルフとトロールの伝説が息づく島で、人々の切ない記憶と過去が交錯する。英国推理作家協会賞受賞作家が贈る深い余韻が残るミステリ

「黄昏に眠る秋」「冬の灯台が語るとき」に続くシリーズ3作目。秋、冬、春。残るは夏か。
このシリーズ好きだなぁ。派手さはないけれど登場人物の魅力とエーランド島の独特の魔力で読ませる。

願いを叶えてくれるエルフ。死んだ妻が残した日記。かつては時代の寵児となったもののすっかり呆けてしまった父親。
3作通して登場するイェルロフが本作でもいい味を出している。
またミステリーでもあるけれど、家族の物語でもある。その部分がじっくり描かれているのも良い。

散りばめられたピースが少しずつ集まってくる楽しさよ。
この淡々と物語が進んでいくスタイルも心地よい。次回作も楽しみだ。