りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

寄席井心亭 葉月 柳家喬太郎

8/7(水)、みたか井心亭で行われた「寄席井心亭 葉月 柳家喬太郎」に行ってきた。
プログラムには「柳家喬四郎真打昇進プロジェクト」と書いてあり、そ、そういう会だったの?
私がここの会員になったのは、前に井心亭の喬太郎師匠のチケットが秒殺したからだったのだ。
しかし会員優先枠があるとはいえ、容易にチケットが買えるわけではなく、次回のチケットは玉砕して買えなかった。
人気の喬太郎師匠をこんなふうに間近に見る機会はなかなかないからなー。今回来られてラッキーと喜ぶべきなのだろう。

仕事帰りでぎりぎりの時間だったのだが、バスがなかなか来なくてあわててタクシー。
汗をだーだー流しながら入ってみると、すでに前の方はかなりの人で埋まっている。
真ん中ぐらいで空いてる座布団があったのでどうにかそこに座ったのだが、ぎっちり人がいて足を崩すのも大変。しかもエアコンがない!
熱中症対策にと飲み物や飴が用意されていて心憎いのだが、しかしそれよりもなによりもエアコン入れてほしい…。この日は体温並みの気温の上に風がまるでなく、室内にいながら熱中症になるというのはこういうことか…と、途中ちょっと命を危険を感じるほど。
そうか、これがわかってるから真夏の井心亭を避ける人がいて、この会のチケットを買うことができたのだな…。納得。

柳家喬太郎『子ほめ』
柳家喬之進『お菊の皿
・柳亭左龍『そば清』
〜仲入り〜
柳家喬四郎『反対俥』
柳家喬太郎『赤いへや』

最初に出てきた喬太郎師匠。
この会の趣旨を説明したあと軽めのまくらから「子ほめ」。
ご隠居さんが八さんに子どもの褒め方を教えてるところでセリフを度忘れしてしまったらしい喬太郎師匠!「栴檀(せんだん)は双葉(ふたば)より芳しく…ええと…なんだったかな。ちょっと待て思い出すから。…。おい、ばあさんや。」
んまぁ珍しいこんなこと!喬太郎師匠でもこんなことがあるのね?!
「ええと…ああそうだ。」
思い出してまたそのまま噺は進んでいったのだが、悔しかったのか、そのあと何回かご隠居さんがセリフを忘れたことを自分で突っ込まずにいられない喬太郎師匠。
ホールとは違って近いだけに「ああ、こだわってるんだ」「やっぱり喬太郎師匠って負けず嫌いなんだな」というのがリアルに伝わってくる。これは確かに楽しい。血眼になってチケットをとる甲斐もあるというもの。

2番手は喬之進さんの「お菊の皿」。
大好きな噺なのだが、途中で少しリズムが悪くなったような…。
狭いところで足をあっちに動かしこっちに動かし、風もなく汗がだらだらでちょっと息苦しくなってきて、聞いてる側の集中力が途切れたせいかもしれない。
他のお客さんがぱたぱた扇ぐうちわの風だけが頼り…。あおいであおいでもっとあおいで…お願い…ばたっ。

3番手は左龍師匠の「そば清」。
「そば清」は以前さん喬師匠のを見たことがあったのだが、面白い!左龍師匠の「ど〜もっ!」もさん喬師匠のとは一味違っていてまたいい!
そばがおいしそうで噺に引き込まれてしばし暑さを忘れた。

仲入りの時、喬四郎さんのお披露目興行チケットを喬四郎さんと喬之進さんが売っていて、目があってしまったので思わず購入してしまった。
私もうちわがほしい…と探したのだがどこにあるかわからず。置いてあったお茶を二杯飲んで、配っていた飴をもらって、後半戦へ。
落語聞いててぶっ倒れるなんてことにはなりたくない…。

一門あげて応援されている喬四郎さんの登場。
喬太郎師匠からいつもかなりへなちょこ呼ばわりされているけれど、た、たしかに…なんというか欲がないっていうか抜けてるっていうか…。
今までも何回か見たことはあったんだけど、正直あまり印象に残っていない。
「反対俥」はわかりやすく面白い噺だと思うのだが、途中でちょっと息切れしちゃったり、くすぐりがうけなかったことをぼやいてみたもののそれも中途半端だったり…。
それでも見終わった時には、がんばれ!と応援したい気持ちに。

トリは喬太郎師匠。
このときのまくらが最高に面白かった。
ケン○ッキーのチキンでだしをとってさっぽ○一番塩ラーメンを作るっていう話だったんだけど、「コロッケそば」のまくらに匹敵する完成度の高さ!
書きたいけど喬太郎師匠が「twitterでつぶやかないでね!」って言ってたのでやめておく…。むー…。

「赤い部屋」は鈴本のR18で見ているのだが、こうして近くで見るとさらに怖さ倍増…。 狂気を描かせたら喬太郎師匠の上を行く人はそうはいないのでは、と思う。
暑い部屋がいっきに寒くなるような…余計に暑くなるような…そんな赤い部屋だった。

最後は全員出てきて座談会。
次回の井心亭はさん喬師匠も登場とのことで、行きたかった〜。
この日にチケットの一般発売があって1分しないうちに売り切れたなんてことはご存じない喬太郎師匠、「次回もぜひ来てください」と。
行きたいけど行けねぇんだよっ!!と心の中で叫んだのは私一人ではなかったはず。