りつこの読書と落語メモ

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整形前夜

整形前夜 (講談社文庫)

整形前夜 (講談社文庫)

★★★★★

だが、と私は思う。日本女性の美への進化もまだ完璧ではない。例えば、踵。あの踵たちもやがては克服され、「おばさんパーマ」のように絶滅してゆくのだろうか。かっこ悪い髪型からの脱出を試み、大学デビューを阻む山伏に戦く。完璧な自分、完璧な世界を強く求めながら、平凡な日常の暴走に振り切られる生ぬるき魂の記録。人気歌人の頭からあふれ出す、思索のかけらを集めたエッセイ。

楽しい!めちゃくちゃ面白くて思わず吹き出しちゃうんだけど、笑えるだけでなく、ああそういう見方もあるのか!とかこういう言葉で表現するのか!という清々しい驚きにも満ちていていい。

普通に真面目に働き続けると必ず「絶望」するということに気づいてから、私はどこかで流れを変えないといけないと思うようになった。

僕はどうすれば、いいのだろう。
何をしても手応えがないのに。
どこから。
何を。

加齢と共に「驚異」を「驚異」のままキャッチする能力が衰え「共感」に変換して味わうようになったのではないか。

小箱に入れて取っておきたいような言葉がたくさんあって、今まで読んだ穂村さんのエッセイで一番好きだ。図書館で借りて読んだのだが、あわてて本屋さんに行って買った。
豊崎社長の解説もいい。好きだ。