ソロモンの偽証 第III部 法廷
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/10/11
- メディア: 単行本
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事件の封印が次々と解かれていく。私たちは真実に一歩ずつ近づいているはずだ。けれど、何かがおかしい。とんでもないところへ誘き寄せられているのではないか。もしかしたら、この裁判は最初から全て、仕組まれていた―?一方、陪審員たちの間では、ある人物への不信感が募っていた。そして、最終日。最後の証人を召喚した時、私たちの法廷の、骨組みそのものが瓦解した。
良かった。素晴らしかった。宮部みゆきはやっぱりすごい。
物語を中学生中心にしたことがとても効いていて、それが救いにも希望にもなっていると思う。
確かにここに描かれている中学生は「出来すぎ」な面もあるかもしれないけれど、しかしそれも含めて作者の描きたかったこと、訴えたかったことが胸に迫ってきて、素晴らしかったと思う。
一時期リアルにいきすぎて読むのが苦痛だった宮部ワールド。
もう読むのが辛いなぁと思った時期もあったけど、リアルだけどフィクションというこのおとしどころが私は好きだ。
途中では「ぶっ殺してやりたい」と思った子も最後まで読むと、ああでもまだ子供なんだもんなぁ…という気持ちにさせられる。
どんなに苦しくても醜くてもやっぱり生きていなくちゃだめだ。生きていれば先がある。道を変えることだってできる。
良いものを読みました。満足。