りつこの読書と落語メモ

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鯉昇・塩鯛 東西お魚ふたり会

7/23(火)国立演芸場で行われた鯉昇・塩鯛 東西お魚ふたり会に行ってきた。

・瀧川鯉○「たらちね」
瀧川鯉昇「蛇含草」
・桂塩鯛「船弁慶
〜仲入り〜
・桂塩鯛「青菜」
瀧川鯉昇「佃祭」

開口一番は鯉〇さん。
鯉〇さんは以前一度見たことがあると思うんだけど、自分のブログを検索しても出てこなかった…。あれ? すごくいい席だったのでよく見えて鯉○さんの緊張がこちらにも伝わってきてドキドキしてしまった。きれいな「たらちね」だった。

鯉昇師匠の「蛇含草」。
いつものように甲乙兵の扇風機、熱演はしない公務員オチから始まって「蛇含草」。
こういう意地っ張りのひねくれものをやらせると鯉昇師匠は生き生きするなぁ…!
餅を伸ばしてまるめて飲みこんで目を白黒させたり、投げた餅を口で受けてごっくん!と飲みこんだり、もうそのしぐさがおかしいおかしい。
ブラックなオチも鯉昇師匠がやると後味が悪くない。好きだ。

塩鯛師匠の「船弁慶」。
塩鯛師匠は初めて見たのだが面白かった〜。
関東と関西、爆笑度合でいうと関西に軍配が上がる気がする。江戸弁と違って言葉自体が柔らかいから、すっと懐に入ってきやすいし、ガンガン言ってもきつい感じがしない。上方落語、好きだ〜。
東京にいるとなかなか見る機会がないから、こういう二人会はありがたい。

船弁慶」は初めて聴く噺だった。
喜六が家でぼんやり留守番をしていると友だちの清八がみんなで舟遊びをしようと誘いに来る。
いつも旦那衆のおごりで行くので芸者に「弁慶」とからかわれるのがいやだと言う喜六に清八は「だから今度は自腹で行こう」と言う。友だちみんなでお金を出し合って行くと言われ、金を出し渋る喜六。芸者が一度でも「弁慶」呼ばわりしたら金は返すからと言われ、ようやく行く気になる。
張り切って着替えていると、叔父の家に泊まりに行っていた喜六の女房が戻ってくる。

この女房「雀のお松」「雷のお松」と呼ばれるものすごい恐妻。
お松が戻ってきたところがもうめちゃくちゃ面白かった。
玄関の前で近所の人に会い、叔父さんの家に行ったらああでこうで引き止められてそれで泊まったんやけどそれからまたこうしてああして…まさに「雀」のようにぺちゃくちゃぺちゃくちゃまくしたてる。
鬼の居ぬまに出かけてしまえという男どもの目論見は見事にはずれるのだが、清八がどうにかいなして無事に家を出ることができた。

道すがら喜六がお松がどんなに怖いか語って聞かせるのだがこれがまた面白い。
お松に焼き豆腐を買ってきてと頼まれた喜六、なぜかぼんやりしてこんにゃくを買って帰ってしまった。
怒ったお松は井戸の水を喜六にぶっかける。「うわ、冷たい!!」と喜六が叫ぶと、「なんや冷たいんかい?」と今度はお灸のもぐさを背中に置かれて火をつけられて「熱い!!!」。すると「熱いんかい」と水、「冷たい!」と言うと今度はお灸。繰り返しているうちに「焼き豆腐」と思い出した、と。

そんな奥さんから解き放たれて船でおおはしゃぎの男たち。
どんどん酔っぱらって行く喜六がおかしい。
そしてそんな船が夕涼みをしているおかみさんたちのいる橋の近くを通りかかって…。
大爆笑の塩鯛ワールド。もう笑った笑った。大爆笑。

仲入り後の塩鯛師匠。
自分のことを贔屓にしてくれて何かとごちそうしてくれる旦那の話。
おごってもらうたびに「ちなみにこれはおいくらですか?」「ほんまに聞きたいか?」
そんな爆笑まくらからの「青菜」。
青菜も上方版っていうのがあるのかしらと思って聞いていたけど、内容的にはほとんど同じだった。
ただこの噺はもしかすると江戸版の方が風流度は高いかもしれないと思った。

トリは鯉昇師匠で「佃祭」。
「塩鯛さんとはこうして何回も二人会をさせていただいていますが、毎回いつも塩鯛さんの独演会にゲスト出演…というような感じになっています」。
わはははは。確かに上方の人とやるとどうもこちらの方が分が悪いというか迫力負けするような印象は否めない。でも鯉昇師匠はもともとがほんわか系なので明らかにカラーが違っていてそういう意味では全然負けてないぞ。えっへん!

鯉昇師匠の「佃祭」はこの間の落語研究会で見ている。この後も何回か見ることになりそうだな。
夏の噺だけど出てくる人がみんな優しくてあったかい。好きだ。