りつこの読書と落語メモ

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ご遺体

ご遺体 (光文社古典新訳文庫)

ご遺体 (光文社古典新訳文庫)

★★★★★

英国出身でペット葬儀社勤務のデニスは、友人の葬儀の手配のためハリウッドでも評判の葬儀社“囁きの園”を訪れ、そこのコスメ係と恋に落ちる。だが彼女の上司である腕利き遺体処理師もまた、奇怪な方法で彼女の気を引いていたのだった…容赦ないブラック・ユーモアが光る中編佳作。

ペットの葬儀社に勤める詩人デニスと、評判の葬儀社で遺体にメイクを施すエイメが恋に落ちるのだが、そこに彼女の上司で腕利きの遺体処理師も絡んできて独自な方法で彼女の気を引く…。

わぁわぁなんかすごいものを読んだぞーと言って回りたいような作品。
以前同じ作者の「ブライヅヘッドふたたび」という作品を読んだことがあるのだが、本当に同じ人?と解説を読み返してしまった。あちらはカトリック色の濃い作品だったけれど、この作品は対極に感じてしまったのだが、案外そうではないのだろうか。うーん、わからない…。

「囁きの園」での葬儀の内容はグロテスクでショッキングなのだが、感情を排した文章が美しくて不思議と嫌悪感を抱かせない。
そういう意味ではここに出てくる二人の男、同情の余地がないほど醜悪に描かれているにも関わらず、なぜか憎めない。むしろ哀れを感じてしまう。

ショッキングが内容なのになぜか上品っていうのが凄い。