りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

柳好十八番 四代目春風亭柳好トリビュート

7/5(金)、日本橋公会堂で行われた柳好十八番 四代目春風亭柳好トリビュートに行ってきた。
四代目柳好師匠の落語は聞いたことがなく、市馬師匠、鯉昇師匠が出るから行った落語会だったのだが、会場に入ってみたら非常に年齢層が高い…。こ、これはもしや間違ったところに来ちゃったか?とちょっと不安に。
開演時間前に前座さんの「牛ほめ」が始まったのだが、噺が始まっても地声で話す人が多数。ますます不安に…。

・柳好「禁酒番屋
・市馬「小言幸兵衛」
・桃太郎「芸協物語」
〜お仲入り〜
・座談会「四代目柳好を偲ぶ」
・鯉昇「宿屋の富」
・小柳枝「蝦蟇の油」

柳好師匠の「禁酒番屋」。 噺家は浴びるほど酒を飲む人と全く飲まない人の二種類。自分は前者で近所に行きつけの店があるけどそこは他の店を出入り禁止になった人たちが集まる店で、とあっさり目のまくらから「禁酒番屋」。
前に見たのが喬太郎師匠の「禁酒番屋」だったので、わりとあっさりとした印象。

次に出てきたのが市馬師匠。にこにことやってきて座っただけで、「ああ、今日も大丈夫だ」という気持ちになる安定感。
「こういう会に呼んでいただいてうれしい」「今日だけは芸協の一員になったつもりで」「小言幸兵衛は寄席でもよくかけているんですが、今日は普段と違う形でやります」と。

普段の形がわからないのが情けないが、柳好風のやり方だったらしく、後ろに座ったおじいさんがうれしそうに声をそろえて言っていた。微笑ましかったけど、オチも先に言っちゃうんじゃないかとちょっとドキドキした。

幸兵衛さんは妄想がハンパない。
年頃の男が独身でいると聞いただけで、心中を連想して怒り出しちゃうんだから迷惑な話だ。
もともとあまり好きな噺ではなかったんだけど、市馬師匠がやるとそれもまたちょっと許せる気持ちになるから不思議だ。

そして桃太郎師匠の「芸協物語」という漫談…というか悪口…。
みんなこういうのが聞きたかったの?おじいさんたちはうけていたからいいのかもしれないけど、私はただただ不愉快だった。

座談会もいや〜な予感がしていたのだがやはり桃太郎師匠の独演場。ほとんど一人で喋りまくっていて、ちょっと他の人にも話しをさせてよ!と思った。
柳好師匠にいたっては一言もしゃべらなかったからなぁ…。あれは座談会じゃないよ。
司会の人もいたんだからもう少し仕切ればいいのに。
がっかりしたのは、せっかく鯉昇師匠が小柳枝師匠に話をふって、そちらで話が盛り上がりそうだったのに、わざわざ司会の人が桃太郎師匠に「それは○○だったの?」と聞いて、また桃太郎に話を戻したこと。聞かなくても喋る人にわざわざ話を戻さなくてもいいだろうに。 鯉昇師匠や小柳枝師匠がちょこっと語ったエピソードが楽しかっただけに、そっちをもっと聞きたかったなぁと残念な気持ちに。

気を取り直して鯉昇師匠の「宿屋の富」。
これは以前DVDで見たことがあったのだが、いやぁ面白かった!
文無しの男が宿に泊まって自分がいかに金持ちかを吹くのだが、そのほらの吹きぶりがあまりに突拍子もなくて大笑い。
富の抽選結果を聞きに行って自分の札と照合するところもおかしい。鯉昇師匠が何度も何度も自分の札と当選番号を確かめてきょとんとした顔をするのがおかしくて、大笑い。

トリは小柳枝師匠「蝦蟇の油」。
まくらで師匠の思い出を少しだけ語られたのだが、いい師匠だったのだなぁと聞いていてしんみりした。もっと座談会で話を聞きたかったなぁ…。
小柳枝師匠の「蝦蟇の油」は以前寄席で聞いたことがあったのだが、前半の言いたての見事さと、後半のぐだぐだぶりの対比がすばらしい。
ほかの噺も聞いてみたい。

明らかに私が行くのは場違いのような会であったが楽しかった。
でも4回目があってももう行かないと思う。>出演者によるけど。