りつこの読書と落語メモ

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第二回 Mt.RAINIER落語会 「流れの豚次」 伝 (通し)公演

6/24(月)、マウントレーニアホールで行われた第二回 Mt.RAINIER落語会 「流れの豚次」 伝 (通し)公演に行ってきた。
今回は白鳥師匠の会でゲストが喬太郎師匠ということで、チケットサイトでは秒殺だった。
場所柄もあるのだろう。浅草演芸ホールとは明らかに違う客層が面白い。

・白鳥「掛取り動物園」
喬太郎「任侠流山動物園」
・白鳥「天王寺代官斬り」
〜お仲入り〜
・白鳥「雨のベルサイユ」

「流れの豚次伝」とは、渡世ブタの豚次を主人公とする連作で、原点となったのは「任侠流山動物園」という噺で、確かこれはSWAのCDに入ってたはず。白鳥師匠の書き下ろした新作落語だ。
白鳥師匠は寄席では見たことがあるけれど、こういう会では初めて。楽しみなような不安なような…。

「掛取り動物園」は豚次が流山動物園に来る前に、上野動物園で白黒一家を破門となった経緯を描く。
流れ者だった豚次は自分を助けてくれたパンダの親分に恩義を感じているのだが、パンダの親分は相当なワル。他の動物のエサを独り占めしたり、高利貸をしてコンドルに悪質な取り立てをさせたり…。
ラスカルブームで一時期はちやほやされたものの今は人気も落ちてしまったアライグマ親子。母はブームの時の華やかな暮らしが忘れられずつい派手な生活をしてしまい今では借金まみれ。取り立てに来たコンドルに襲われそうになったところを助けたのが豚次。
豚次はこのアライグマの娘をかわいがっていたのだ。
このアライグマの娘がプロレスマニアでアンドレ・ザ・ジャイアントファン。ってどうでもいいような情報なのだが、実はこれが伏線になっているという…。

ってここまであらすじを書いてみたけど、まあ実際は実にばかばかしい噺なのだ。
それを白鳥師匠が座布団の上でドタバタと動き回りながら(プロレスシーンもある)汗をかきかきの大熱演。
ひでぇ落語なぁーーと思いながらもここまでやられるとこれはもう一つのジャンルだなぁと説得力がある。
しかしかなりのパワー落語でこの調子であと3話あとかと思うと軽い眩暈が(笑)…。

続いて出てきた喬太郎師匠。「もうなんでしょうか、あれは」と言いながらもなんだか楽しそう。
喬太郎師匠が噺に入ってすぐに席を立った人がいて、「え?あんまりひどいんで呆れて帰るんですか?」と声をかけていたのがおかしかった。
そんな喬太郎師匠の「任侠流山動物園」。
ちょっとしたしぐさも「ほら、私はこういうところもやってるんですよ」「これが柳家の芸です」とアピールを忘れない。わはははは。
確かに白鳥師匠より数倍任侠っぽいし、バカバカしい中にも迫力があって、喬太郎師匠うまいなぁという印象。

お客が来なくて窮地に立たされた流山動物園を救おうと豚次が高速道路を激走したり、仲間のチャボ子が興奮すると無精卵を産んだり、細かいところが実にバカバカしくてきっちり笑いをとっていく。
喬太郎パワーを見せつけられて楽しかった。けど疲れた…。すでにへろへろ。

そして出てきた白鳥師匠。「なるほど手の形はこうやるんですね。早速勉強になりました」。
「天王寺代官斬り」は、流山動物園で世話になった象の政五郎の骨を彼の親分の墓の隣に納骨するために旅に出た豚次が大阪に立ち寄るのだが、そこは某知事の下、ドーベルマンのごん蔵が支配し野良犬が幅をきかせている。
喉が渇いて公園の水を飲んだことからごん蔵に追われる身になってしまった豚次は、天王寺動物園にかくまってもらうのだが…。
鶴瓶が出てきたり「つる」が出てきたり、ドタバタと激しい一席。

仲入り後は「雨のベルサイユ」。
掛川にあるベルサイユ動物園のエピソード。個性を出そうと知恵をしぼった動物園が考えたのが、動物園の宝塚化。その目玉となるのが、ルイ16世がマリーアントワネットに与えた猫の子孫と名乗る猫マリー。
たかが猫なのだが動物園で女王のようにふるまっているのは、レッサーパンダの小次郎という無敵の親衛隊が付いているから。
マリーの圧政に苦しむ動物を助けるため、豚次は小次郎に勝負を挑むのだが…。

これがもうバカバカしい上にもバカバカしい噺だったのだが、ちゃんとオチもついて楽しかった。
パワーパワーの白鳥師匠はすでにへろへろ。聞いてるこちらもへろへろ…。
声を枯らしながら、もう人物の描きわけもできなくなってきた白鳥師匠だった。 さすがに4本続けてというのは単調になるなぁと思いながらも、まーよくもここまでバカバカしい噺をここまでやり切った、そしてこちらもよく最後まで聞ききった、というよくわからない達成感が(笑)。

白鳥師匠「新ランゴランゴ」