りつこの読書と落語メモ

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末廣亭 6月下席夜の部

6/23(金)、仕事の帰りに、末廣亭6月下席夜の部に行ってきた。
ちょうど18時半だったので入場料は2200円。
さすがの小三治人気で1F席は満員だったが、桟敷席にはまだ空きがあったので後ろの方に座れた。
柱が邪魔で見づらいけど、仲入りのときにもう少し前に行けるかも。

・アサダ二世 奇術
・むかし家今松「壺算」
・柳亭小燕枝「馬のす」
〜仲入り〜
・柳亭燕路「花見小僧」
・ホームラン 漫才
柳家小袁治「鰻屋」
・金原亭伯楽「猫の皿」
・仙三郎社中 太神楽
柳家小三治「百川」

末廣亭は初めてだったんだけど、どこからでもよく見えていいなー。
桟敷席は船に乗ってるみたいで楽しいけど、やっぱり椅子の方が楽だな。

今松師匠の「壺算」。
初めて見た師匠だったんだけど、この噺嫌いなんだよなぁ。他の噺がよかったなぁ。
どうも人をだます噺って好きになれない。
時そば」ぐらいの小さなだましならまだいいけど、これは明らかに手が込んでいて詐欺だよな…。

小満師匠の代演で小燕枝師匠。久しぶりに小満師匠を見たかったんだけどな、残念。でも小燕師匠も大好きなんだけどね。
「馬のす」は初めて聞いた噺だった。
釣りに行こうと張り切る主人が道具を点検してみると釣り糸がだめになっちゃってる。
もう行く気満々なのにどうしよう。いまさら行かないなんてできないよ。
そう思っていると家の前に馬をつないだ者がいる。なんだ失敬な奴だなと怒ってから気が付いた。馬の毛が釣り糸の代わりになるじゃないか。
馬の尾から毛を抜いていると通りがかった友だちが「おめぇなんてことをしやがる」「馬の毛を抜いたらどういうことになるか知らないからそんなことができるんだ」。

そう言われたら気になって仕方ない。
教えてくれと言うと「ただじゃ教えられない」。
じゃ酒を二合ご馳走するからと家にあげたが、友だちはなかなか口を割ろうとしない。
うまそうに酒を飲んでつまみに出してもらった枝豆を食べて…。

これもまたバカバカしい軽い噺だけど、まあ酒はうまそうだし枝豆もおいしそう。
ごくりと何度も唾を飲みこみながら見ていた。
小燕枝師匠の噺は淡々としていて地味だけど、情景が浮かんできて好き。

仲入り後に出てきたのが燕路師匠。
座るなり客席を見渡して「信者のみなさん、ようこそ」。
なんだよ信者って、とむかっ。ええそうですよ、なにもあなたを見に来たわけじゃありませんから。あなたの名前でこんなにお客が集まるかってんだ。けっ。
という気持ちで聞いていたので「花見小僧」もたいして面白く感じなかった。
落語なんていうのはほんとに気持ちで聞くものなんだな。

後で見たら燕路師匠は小三治師匠の弟子だった。なるほど弟子だからああいうことが言えちゃうのか。
落語に毒舌はつきものでウケていた人もいたからいいのかもしれないけど、少なくとも私は悪い印象しか持たなかった。
後で調べたら「信者のみなさん」というのは燕路師匠の得意のセリフのようだ。小三治師匠の時に限らず言ってるのか。嫌なセンスだな、おい。
あと落語家の中には実名で悪口を言うような人が時々いるけど私は嫌い。下品だ。

小袁治師匠の「鰻屋」は楽しかった。
タダ酒を飲んでご機嫌になる若い衆がいい。生き生きしてる。そして鰻に翻弄される主人がただただおかしい。
これは夏の噺だからこれからいろんな人のを見ることになるのかな。

小さん師匠が出てくると思ったら、見たことのないちょっと気持ち悪い人が出てきた。(←超失礼)これが伯楽師匠かー。なるほどー。
すごく若く見えるんだけど小三治師匠と同い年なんだと。志ん生師匠との思い出話が楽しい。
「猫の皿」はショートバージョンだったけど、主人のちゃっかりが微笑ましい。人は好きなタイプではないけど落語はちゃんとしていてよかった。ってどこまでも失礼ですみません…。

仙三郎社中はもう何回目になるだろう。
今回は二人だったからちょっとびっくりしたんだけど、二人でもちゃんとできるんだねぇ…って当たり前か。
いつ見ても「おおっ」と思わず声が出る。すばらしい。

そして待ってましたの小三治師匠。
座るなり「江戸っ子は…」で、おお、これは百川か。最初から百川って決めてきたのか!と思う。
祭りの説明をしたあと、ぜんそくになった話などの長めの枕。この間板橋で見た時もこのパターンだった気がする。

「空気清浄器っていうのを初めて買ってみて、徐々に台数を増やしていったけど、三台目を置いたくらいからなんかいい感じになってきた。
でもあれでしょ。あれはフィルターを掃除しないといけないんでしょ。そういうことは最初に言ってくれなきゃ。知らないから掃除しないで使ってたら、そこにカビがついたり菌がついたりしてかえって悪かったらしい。」

噺はやっぱり「百川」だった。
時間が少し多めに残っていたのかこの間見た時より長いバージョン。
そしてなんか小三治師匠が楽しそう。
もうとにかく百兵衛さんがかわいい。くわいのきんとんを飲みこんで階段の下で涙ぐむところ。もう一度呼ばれて嫌々部屋に向かいながら「こーりゃてぇへんだぁ。おらぁここには長くはおられねぇかもしれねぇ」とつぶやくところ。
世間ずれしてない純朴さがあって魅力的だ。

一緒に見ているお客さんがどんどん百兵衛さんのことを好きになっていくのが空気で伝わってきてなんともいえない一体感。
それが伝わってくるのか小三治師匠がなんかうれしそうだったのが、信者としては(←根に持ってる)うれしい。

まくらとあわせてたっぷり50分。
行った甲斐があった。満足。