りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

らくご街道 雲助五拾三次 -薩摩さ-

6/12(水)、日本橋公会堂で行われた「らくご街道 雲助五拾三次 -薩摩さ-」に行ってきた。
今回で三回目。
4回目まではチケットを通しで買っているのだが、8月9月は他の落語会が入っているので欠席の予定。行きたい落語会が多くて困っちゃう〜。

・「真田小僧
・「やんま久次」
〜仲入り〜
・「棒鱈」

前座なしで雲助師匠という贅沢さ。
しかも雲助師匠って他の会だとあまり自分のことは喋らないイメージがあるんだけど、この会では「こういう趣向でやろうと思ってます」「これは普段はやらない噺なんだけど今回は…」とざっくばらんに話してくれるので、なんかうれしい。いろんな意味でお得感いっぱいな会なのだ。

真田小僧」はいろんな師匠や前座さんで見ているけれど、それぞれに違った「子ども」味があって面白い。 雲助師匠の「子ども」は憎らしさよりかわいさが勝っている。
いつも思うんだけど、あの最初の二文を出した時点でおやじの負けは決まったも同然だ…。

いったん幕が下りて再び幕が上がると高座がなくなっていて、舞台に直接座布団が。
「低いところから失礼します」と雲助師匠。
また何か変わった趣向を見せてもらえるんだな、とわくわく。

「やんま久次」は初めて見たのだが、前回の「髪結新三」と同様に、また「ワル」のお噺。
旗本の二男の久次は長男のように家を継ぐこともできず家を出て道楽三昧。博打で借金を作っては家に戻って金の無心。金をせびりに来たくせに悪態をついたりえばり散らしている。
たまたま家に来ていたのが兄弟に幼いころ剣術を教えた大竹大助という先生。このままにしておくと家名に傷がつくから久次に切腹させたほうがいいと進言する。
母君が久次をかわいがっているからと手出しができずにいた兄も先生の助言を受け入れる。

切腹を迫られた久次はさすがに顔色を変えて命乞い。
母も出てきて、今回だけは許してあげてほしいと頭を下げられ、先生も今回だけは許してやろうと放免する。
一緒に帰る道すがら「これからは心を入れ替えて頑張る」と誓う久次に、「安心した」と別れていく先生。
その後ろ姿を見送りながら、久次は急に本性をあらわして、啖呵を切る。

この啖呵を切るのに立ち上がって着物の裾をめくった雲助師匠。
おおおっ。このために高座をおろしたのね、と驚く。
お前みたいなやつにほんとの遊びがわかるかい!!って、ああこいつはやっぱり根っからの悪人で改心することはないんだな…と思うのだが、それがちょっとかっこいい。

仲入りの後は「棒鱈」。
「やんま久次」と打って変わって、こちらはひたすらバカバカしいお噺。
さきほどまでの緊張感を吹き飛ばすように、「赤べろべろ」「エボエボ坊主」「おしょうがちいが松飾り」に大爆笑。
緩急のつけかたが心憎い!