りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第7回夢一夜〜一之輔・夢吉二人会〜

6/4(火)、日本橋社会教育会館で行われた第7回夢一夜〜一之輔・夢吉二人会〜に行ってきた。
一之輔師匠目当てで行ったのだが、夢吉さんもとても面白くて得した気分。二つ目ということだけど若くて元気があって一生懸命でいいなぁ!なんか応援したいぞという気持ちがわいてきて、そうかこうやって二つ目勉強会なんかにも行くようになるのか…と納得。
私の前に座ったおばさまたちも一之輔師匠目当てで来たようだったけれど「この人も面白いわね」「なんか得したわね」と言っていた。

・吉好「平林」
・一之輔「麻のれん」
・夢吉「身投げや」
〜仲入り〜
・夢吉「てれすこ
・一之輔「へっつい幽霊」

いつものように何食わぬ顔で出てきた一之輔師匠。
夢吉とは仲が良くてしょっちゅう一緒にいるんですよ、と言う。
昨日も仙台で落語会があったんですけど夢吉と一緒で、新幹線で行って帰ってきた。とは言っても自分は真打なのでグリーン車(と鼻の穴を膨らます)で歌丸師匠と一緒。夢吉は前座さんと普通車。
夢吉に歌丸師匠ってお酒飲むの?と聞くと「飲まないし呑兵衛が嫌い(だと思う)」という返事。
ってことはあれか、帰りの新幹線でビール飲むのを楽しみにしてたけど、プシュなんてやったら心象を害されちゃうのか。

同じグリーン車といってもさすがに隣同士ではなく、前の席に歌丸師匠で自分は後ろの席。 やっぱりビールが飲みたくなって、トイレに行くようなふりをしてカバンを持って座席を離れ売り子さんを追いかけて行ってビールを5本買った。
プシュっと開けたらわかっちゃうと思って、カバンの中でビールをタオルに包んでわからないようにこそっと開けてわからないようにこそこそ飲む。
こそこそ飲んでもちっとも楽しくなくて全然酔わない。
あーーいいなーあっちの普通車の二人は。心配してくれて一度見に来てくれたけど二人とも楽しく飲んでいるようでニコニコ酔っぱらってた。おれもそっちの方が良かったよ、と。

夏らしい噺をということで「麻のれん」。
按摩の杢市は目が見えないけれど何一つ困ったことなんかないと言う意地っ張り。夜も遅いから泊まっていけと旦那に言われて泊まるのだが、意地を張って部屋に案内してもらわなくても大丈夫と言い張る。
客間には入り口に麻のれんがかかっていて中に新しい蚊帳をつってくれていたのだが、麻のれんを蚊帳と間違えてくぐったところで座り込んでしまう。
布団はないし蚊にも刺され放題。一晩刺されまくって顔が腫れあがってしまう。
次の朝になって文句を言う杢市に、だから意地を張らずに案内させろと言ったのに、と旦那。

しばらくたって雷が怖くて再び同じ客間に泊まることになった杢市。
今度はもうわかってますからとまた案内を断って客間へ行く。
麻のれんはもうはずしてあったのだが、のれんのつもりで蚊帳に入り、よし今度は間違えないぞ次が蚊帳だ、と蚊帳に入ったつもりで出てしまう。

初めて聞いた噺だったけれど、これは落語ならではだなぁ。目の不自由な人を笑うなんて、とテレビなどでは決してできないんだろうなぁ。

次に出てきた夢吉さん。
そうなんです、一之輔兄さんと仙台に行ってきたんです。
僕は暇なので前の日に入ってたんですけど、仙台が寒いのなんの。ジャケットを着ていたんですけどぶるぶる震えるほど。あーおればかだった、もっと厚着をしてくればよかったと思っていたら、あくる日にやってきた一之輔兄さんはTシャツ一枚。「なんかわかんねぇけど調子が悪い」ってあんた明らかに薄着すぎですから!
帰りの新幹線でね、さっき兄さんが言ってましたけどね、そうなんですよ、どうしてるかなとグリーン車に見に行ったらね、カバンの中にビール隠してこそこそ飲んでるんです。
それを思い出しながら普通車で飲むビールのうまいこと!!(わはははは!)

そして始まったのが「身投げや」。
これは以前雲助師匠のを動画で見たことがある。
身投げをするふりをすれば必ず誰かが止めてくれる、お金に困って身投げをしようとしていたといえばお金を出してくれるというのだが…昔の日本人はみんな優しかったんだなぁ…それともこれは落語ならではの世界観なのだろうか。
「いくらあれば死なずにすむのか」と聞かれたときに、止めてくれた人のなりを見て金額を言う、というのがこずるいのだが面白い。
夢吉さんが値踏みの段になると、「よし!ここが肝心だよ!」と張り切るのがなんともおかしかった。

仲入り後は夢吉さんの「てれすこ」。
これは地噺ってやつなんだね。落語の世界からふと我に返るっていうか地に戻るのね。面白い。
なんか聞いたことがあるなぁと思ったら、そういう題名の映画が前にあったんだった。
元気いっぱいの夢吉さん、スキップするようにはけていったのが印象的だった。(かわいい!)

トリは一之輔師匠の「へっつい幽霊。
こわいもの知らずのくまさんと博打好きの幽霊のやり取りが面白い。ふてぶてしいくまさんが、一之輔師匠にぴったり。
楽しかった。