りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

春風亭百栄独演会in落語くらぶ Vol.1

5/22、落語くらぶで行われた春風亭百栄独演会に行ってきた。
仕事が燃え上がってきていて行けないかもしれない…と半分あきらめかけていたのだが、なにせ場所が非常に良くてさらに開始時間も遅めだったので、どうにかこうにか…。
小さなお店なので収容人数も少なくてドタキャンしたらお店に申し訳なかったので、行けてよかった。

会場はレコード屋さん。そこに高座が用意してあってパイプいすを並べてある。
始まる前にこちらの店主さんが配られたチラシの説明をしたり、百栄師匠のDVDやこちらのお店で独自に出しているCDを宣伝したり。ショーバイショーバイというより、噺家さんを応援したいという気持ちが伝わってきてとてもいい感じ。
サインをいただけるということで百栄師匠のDVDとブロマイド付きに惹かれて鯉昇師匠のCDを購入。

・弟子の強飯
お血脈
〜仲入り〜
・今どきの作文
・寿司屋水滸伝

ゆるい感じで出てきた百栄師匠、「ぼく昼間は池袋演芸場に出てそこから来たんですけどね」と話し始めたのだが、これがもう面白い面白い。内容は書かない方がよさそうだったので割愛。
この間の鈴本や写真で見てふてぶてしい人なのかな?という印象があったのだが全然そんなことはなくてとても感じのいい人だった。
明るいというよりは暗め?でも暗いかと思うと案外そうでもなくなんともいえないおかしみがある。語り口も静かで好きだなぁ。

そして自分の師匠との出会いから始まって、う勝さんを小勝師匠に紹介したいきさつの話。
百栄師匠は32歳で入門したという変わり種。二つ目の時に末広亭に出て帰ろうとしたらちょっと斜に構えた男が話しかけてきた。
「え?弟子志願?」と思い、「いやおれこう見えてもまだ二つ目なんで」と話すと、「いや、弟子にしてもらおうというわけじゃない」と言う。
なんでも自分は36歳で入門したいと思っており、32歳で入門した百栄師匠に相談に乗ってもらいたいのだと言う。
なんだ、そうなの?なんて思って何回か会って話をするうちに仲よくなってきて、こいつは小勝師匠と合うんじゃないかと思った。
なんでかというと、そのころ小勝師匠は年の近い兄弟子が急死して小勝という名前を継いだところだった。本来であれば手にすることはないはずだった師匠の名前を継いで、この名前は絶対に守っていきたい、だからもう誰でもいいから弟子がほしいと思っていた。(と小勝師匠から聞いたわけではなく、百栄師匠が勝手に想像した)
う勝は自分の年を考えると弟子にしてくれるならもう誰でもいい!と言うので、この二人はぴったりだ!と思ったと。

そんなまくらから「弟子の強飯」。
知っている人は噺が始まったとたん大笑いしていた。
明らか圓生口調の人に対して、ひたすら「弟子に弟子に」とお願いする人。弟子入り志願かと思ったらそうではなく、圓生口調の人が現役高校生で「弟子に(してください)」ではなく「弟子に(なってください)」と協会の方からスカウトに来ているのである。
キセルを上手に吸ったり「御酒」を欲しがったり、老成した高校生がひたすらおかしい。

お次が「お血脈」。
文治師匠のとも志の輔師匠のとも違う「お血脈」。でも意外にも(失礼!)ちゃんとしていて面白かった。古典も面白いんだ、百栄師匠…。

仲入り後は「今どきの作文」。
小学校の先生をやっている友だちが採点している「作文」を主人公が読ませてくれよ、と言って読むというそれだけの噺なのだが、面白い〜!!
このおかしさはもう聞いてみないとわからない。にこ動に音声のみあがってるようなので気になった方はぜひ。

最後は「寿司屋水滸伝」。これは喬太郎師匠の新作落語
CDで喬太郎師匠のは何度も聞いていたんだけど、百栄師匠のはまた少し違っていて違いを発見するのがまた面白い。
シャリがチャーハンで握りづらいので渾身の力を込めて握るところ、トロ切りのマサがイカは気持ち悪いから切れないと言うところ、次々やってくる板前がカウンターを飛び越えていくところ…面白かった〜。

9月にまたこのお店で百栄師匠独演会があるらしい。絶対行く!