りつこの読書と落語メモ

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マリッジ・プロット

マリッジ・プロット

マリッジ・プロット

★★★★★

名門大学の英文科に通うマデリンと、同級生の男子ふたりとのこじれた三角関係を描く、王道の恋愛小説。『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹』『ミドルセックス』の著者、十年ぶりの最新長篇!

名門大学の英文科に通うマデリンの卒業式の朝から物語は始まる。
美人で頭も悪くないマデリンだが男運はあまりよろしくない。初めて自分から夢中になったレナードにこっぴどく振られ、卒業後は彼の研究所に一緒についていくという計画だったので先行き真っ暗、彼女に夢中でいつも近くをうろちょろしていたミッチェルに甘えてみるも撥ねつけられて自尊心はずたずた。
両親に本当のことは言えないし先行き真っ暗で呆然としていると、レナードが躁鬱病で入院しているということを聞かされる。
もしやレナードは自分と別れたことを悔やんでいるのでは…?そんな気持ちで病院を訪ねてみると、そこにはやつれ果てたレナードがいて彼女と別れて躁鬱病を再発したのだと告げられる…。

最初は物語がいったいどういうふうに進んでいくのか検討もつかず「?」だった。
しかし、レナード、ミッチェルという男たちのパートに入ってから俄然面白くなった。
マデリン側から見れば身勝手にしか思えなかったレナードの苦悩、単なる無粋な男にしか見えなかったミッチェルの葛藤、そして二人の男たちから見たマデリン。
定まらない未来への不安、躁鬱病、恋愛、家族との軋轢、宗教、ジェンダーを、ユーモアも交えて描ききっている。

ユージェニデスはこれで3冊目なのだがテーマや筆致がそれぞれ違っててい一体どういう作風なのかいまだつかみ切れない。
しかし間違いなく面白い作家だ。寡作のようだがまたこの人の小説を読める日を楽しみにしていよう。