りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

喪失

喪失〔ハヤカワ・ミステリ1866〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

喪失〔ハヤカワ・ミステリ1866〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

★★★★

アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀長篇賞受賞! 】 当初は単純な窃盗と思われたカージャック事件。だが強奪された車の後部座席に乗っていたはずの少女はいっこうに発見されない。捜査の指揮を執るキャフェリー警部の胸中に不安の雲が湧きだしたとき、今回とよく似た手口の事件が過去にも発生していたことが判明した。犯人の狙いは車ではなく、少女だったのか! 事件の様相は一変し、捜査に総力が注がれる。だが姿なき犯人は、焦燥にかられる警察に、そして被害者の家族に、次々と卑劣きわまる挑発を……屈指の実力派が、MWA賞最優秀長篇賞の栄誉を射止めた力作

シリーズものとは知らずに読んだ。
単純な窃盗かと思われたカージャック事件が、徐々に様相を変えはじめて、あざ笑うかのような犯人の行動に警察や被害者家族が翻弄されていく前半は、読んでいてかなりストレスがたまる。
あまりにもキャフェリー警部はじめとする警察側が失策続きでいいところなしなので「大丈夫か?!」とドキドキしながら読んだ。

カージャックのシーンも恐ろしいがターゲットをつけ狙う犯人のねちっこさにぞぞぞっ。
フリーの行動はさすがに警察官としてはないよなぁーと思いながらも、彼女の行動力に物語が引っ張られてったことも確かなので、これはこれでありなのか。
全体的に陰鬱な筆致ではあるけれど結構楽しめた。