りつこの読書と落語メモ

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芝生の復讐

芝生の復讐 (新潮文庫)

芝生の復讐 (新潮文庫)

★★★★

雨に濡れそぼつ子ども時代の記憶と、カリフォルニアの陽光。その明暗のはざまに浮かびあがる、メランコリアの王国。密造酒をつくる堂々たち祖母、燃やされる梨の木、哀しい迷子の仔犬、ネグリジェを着た熊、失われた恋と墓のようなコーヒー、西瓜を食べる美しい娘たち…。囁きながら流れてゆく清冽な小川のような62の物語。『アメリカの鱒釣り』の作家が遺したもっとも美しい短篇集。

初めて読んだブローティガン
小説とは呼べないぐらい短い散文のようなものから、「アメリカの鱒釣り」の後日談のようなものまで、おさめられている短編は多岐にわたってバラエティ豊か。

しかし全編を通じて一貫しているのはユーモアの間に漂う絶望感だ。これはいったいなんなんだ?
とりとめがないようでいて決定的なことを言っていて、大切なことを言っているようでいてとりとめない。不思議な読後感。