りつこの読書と落語メモ

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夢を与える

夢を与える (河出文庫)

夢を与える (河出文庫)

★★★

幼い頃からチャイルドモデルをしていた美しく健やかな少女・夕子。中学入学と同時に大手芸能事務所に入った夕子は、母親の念願どおり、ついにブレイクする。連ドラ、CM、CDデビュー…急速に人気が高まるなか、夕子は深夜番組で観た無名のダンサーに恋をする。だがそれは、悲劇の始まりだった。夕子の栄光と失墜の果てを描く、芥川賞受賞第一作。

物語の最初から不穏でこれはもう悲劇にまっさかさまなのだろうと思いながら読んでいたのだが、さすが綿矢りさ真梨幸子とは違うのだな…。どこか痛々しい。

夢を与えるという言葉は確かに異様なのだが、言ってる本人はどこか本気でそう信じている部分があるのだろうなぁ…。
そのことさえも楽しみながらこなしていく男性アイドルを羨望と蔑みの視線で見るシーンがあったが、多分そうでなければ泳いでいけないのだろうな、芸能界という海は。

後味は良くないし、評判もいまいちのようだがこれでこれでありかな、と言いながらそれほど心に残る作品ではなかったかな。