ここは退屈迎えに来て
- 作者: 山内マリコ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/08/24
- メディア: 単行本
- 購入: 9人 クリック: 100回
- この商品を含むブログ (68件) を見る
地方都市に生まれた女の子たちが、ため息と希望を落とした8つの物語。フレッシュな感性と技が冴えわたるデビュー作は、「R‐18文学賞」読者賞受賞作「十六歳はセックスの齢」を含む連作小説集。
面白かった。世代も違うし地方都市生まれではないので細かいところで共感するということはなかったのだが、ここにはすべてが揃っていないとかここにいたんじゃダメだというような焦りや閉塞感はとてもよくわかる。 車を運転できたら…というのが何回か出てきたけど、それがとてもリアルに感じた。乗せていってもらった車から下ろされた時とか、あまりにも重い荷物を一人で運ばないといけないときとか、ああ自分は一人でなにもできないんだと無力感に襲われる。 いい年になっちゃったけど、いまだにその感じから抜け出していないな、自分と思う。
若いころにありがちな焦りや、自分はなにものでもない、なにかを捕まえそびれているという空虚感を、とても軽やかに描いていて好感が持てる。好き。