りつこの読書と落語メモ

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紙の月

紙の月

紙の月

★★★★

わかば銀行から契約社員・梅澤梨花(41歳)が1億円を横領した。梨花は海外へ逃亡する。彼女は、果たして逃げ切れるのか?あまりにもスリリングで狂おしいまでに切実な、角田光代、待望の長篇小説。

あうー怖いー。角田さんは本当に怖い話を書くなぁ…。
会社のお金を横領して男につぎ込むなんて自分には全く関係ない話だと思っていたけど、そんなことはない私だってやりかねないと思った。

お金を使うときに感じる高揚感、大きな買い物をするときの麻痺する感じ。
彼女らのはまった罠に自分が落ちることはないとは言い切れない。

しかしそれでなにかが埋まるわけではないのだ。
男なんてただのきっかけに過ぎない。自分が必要とされていること、生きている実感が欲しかったのだ。
彼女のしたことをくだらない、愚かだと切り捨てることなんて私にはできない。