りつこの読書と落語メモ

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本にだって雄と雌があります

本にだって雄と雌があります

本にだって雄と雌があります

★★★★★

大阪の旧家で今日も起こる幸せな奇跡。本だらけの祖父母の家には禁忌があった。書物の位置を決して変えてはいけない。ある蒸し暑い夜、九歳の少年がその掟を破ると書物と書物がばさばさと交わり、見たこともない本が現れた!本と本が結婚して、新しい本が生まれる!?血脈と蔵書と愛にあふれた世界的ご近所ファンタジー。

面白かった!大好きだ!本を読みながら、ぐわはは!と声を出して笑ったのは久し振り。
書き手のおじいさんにあたる與次郎の言動もさることながら、至って普通と切り捨てられる書き手のすっとぼけた語りがもうおかしいおかしい。
笑いながら読んでいたのに気がつけば真ん中あたりで涙がぽろぽろ。さらに最後まで読むと泣きながらにかにか笑ってしまうという驚異の小説だ。

ファンタジックな展開も見事だし、本への愛と信頼に満ちたエピソードには胸踊るし、最後まで読むとこんなふうに本に埋もれながら本のお尻を追いかけ続けて生きていたら私ももしかして…と希望を抱かせてくれるラストもいい!素晴らしい。