りつこの読書と落語メモ

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おしりに口づけを

★★★★

抱腹絶倒、南太平洋から初めての痔小説!ケツが痛えんだ、どうにかしてくれ!近代医学から民間療法までありとあらゆる治療を受けた男のケツの穴。どうしたら苦痛は止むのか、いったい誰が直してくれるのか?痔の痛みとその治療をめぐるトラブルを、旧植民地国家が持つ社会矛盾の寓意を含みつつ描き出す、奇想天外の小説登場。

史上初のお尻小説。しかも作者はフィジーの人!
まぁとにもかくにも主人公オイレイが気の毒で…いやさらに言えばオイレイのお尻が気の毒でならない。

ある朝盛大なオナラをぶちはなして目覚めたオイレイは未だかつてないくらいのお尻の痛みに襲われる。
ただでさえ恥ずかしい場所である上に、ここはまだまだ民間療法が中心のティポタ国なのだ。
折しも欧州の医師たちが来て国際会議が開かれたというのに、その席でティポタの厚生大臣が素晴らしい演説をしてしまったものだから、伝統的な民間療法が公認されてしまったのだ。
かくしてオイレイのお尻はありとあらゆるあやしげな呪術や民間療法の餌食となっていくのである。

元ヘビー級チャンピオンの島の英雄もお尻をこんなにやられちゃったらなすすべもない。
抱腹絶倒のオケツ話が繰り広げられるのだが、実はこの物語にはもう一つの顔があるのだ。
お尻話を介してオセアニア地域の歴史と政治の隠喩でもあるという恐ろしい小説なのである。

とはいえ、冒頭の日本の読者への著者の挨拶から大笑いできるので、難しいことは考えず、大笑いして読むのが吉。