りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

ごはんのことばかり100話とちょっと

ごはんのことばかり100話とちょっと

ごはんのことばかり100話とちょっと

★★★★★

よしもと家の日々のごはん、行きつけのお店の味と雰囲気は?ごはんを共にする大事な家族や友人にふれながら、食いしん坊である著者のまるごと食エッセイ。

小説は書いた人のことが好きでなくても面白いとおもえるけど、エッセイは違う。その人のこと、考え方や価値観に共感できないと、なかなか面白いとは思えない。
そういう意味でこれは思いの外自分にぴったりマッチしていてビックリした。私、実はばななさんが好きなんだなと初めて気付いた。

食べることに関しての考え方は千差万別で、それは自分の育ちや生い立ちにまで話が行きがちなので怖い話題ではある。
彼女の食に対する考え方やグッとくるポイントがことごとく共感できるものだったので、ああ、そう!わかる!と何度も声がでた。
・食べることが好きでリラックスして食べたくておいしいものを食べたいけどしゃちこばっているのは苦手でエスニック系が好きでお酒に合うものが好き。
・子どもにも基本的には大人と同じものを食べさせたい。
・すごーくおいしいけど堅苦しい店と、少し落ちるけどほっとできる店だったら、断然後者を選ぶ。
・強烈なお弁当の思い出がある。
(うちの旦那はお父さんが作ったお弁当を持って行っていて、そのときはご飯の上にちくわの蒲焼のみが乗っているお弁当や鳥の皮を焼いたもののみが乗っているお弁当等、独創的なものが多かったらしい)
(私の場合は母が料理が好きじゃなかったので、おにぎりにおかずはゆで卵のみ、が定番だった)

私にはフードコーディネータの友だちも外国人のお友だちもいないので、おいしい手作りのパンを送ってもらったり、タイ人からタイカレーの作り方を教えてもらったりはできないので、そういう話はとてもキラキラとうらやましい。
でも一番大切に思うことは、味そのものではなく気持ちなのだよなぁ。そこにとても清清しさを感じた。

私はすっごく好きだけど、「ぴんとこない」「腹が立つ」みたいな感想を書いている人もいて、うわーーそうなんだーーー私がいいって思ってもそれは決して標準ではないのだなぁ、ということに気付かされた。