りつこの読書と落語メモ

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ロコス亭の奇妙な人々

ロコス亭の奇妙な人々 (海外文学セレクション)

ロコス亭の奇妙な人々 (海外文学セレクション)

★★★★

トレドにある酒場「ロコス亭」に集まる奇妙な人々は、物語の内と外を、またそれぞれの物語の間を自在に行き来し、読者を虚構と現実のはざまに誘う。ナボコフカルヴィーノ、そして多くのラテン・アメリカの作家たちの原型ともいうべき、知的で独創的で、とてつもなく面白い小説集。

面白かった!
物語の内と外を行ったりきたりする物語。ところどころで作者が顔を出したり、登場人物が勝手に動き出したりという物語は他にもないわけではないのだが、登場人物があちこちに顔を出してかかわり合い、しかし微妙に年齢や関係性が入れ替わり、あれ?これはさっきの?最初に出てきた悪党ってこいつか?前作では立派な人物みたいに描かれてたけどこかにははっきり悪党ってある?と、微妙にねじれているところが面白い。
同じ役者が何役もこなす舞台を見ているような感じで、読んでいてぐるぐる目がまわる。

改題された「ロコス亭」のほうは新訳なのかしら。
本当はそちらの方を読みたかったけど、図書館にあったのはこっちだったのでこちらを。
ラテンアメリカの作家たちの原型」と紹介されていたけれど、古さを感じさせない企みに満ちた小説だった。