りつこの読書と落語メモ

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フランクを始末するには

フランクを始末するには (創元推理文庫)

フランクを始末するには (創元推理文庫)

★★★★

フランク・ヒューイットは芸能界の大スター。殺し屋の“わたし”は彼の殺害を依頼され…。二転三転するスター暗殺劇の意外な顛末を描いた英国推理作家協会短篇賞受賞作のほか、刑事の相棒に赤ん坊が採用され一緒に捜査を行う「マイロとおれ」、買いものリストだけで成り立つ異色作、ミステリ出版界の裏事情を語る一篇など多彩な12作。奇想とユーモアあふれる傑作短篇集。

面白い!こういうの好き好き。これがミステリーの範疇に入るなら私もミステリー好きを名乗れるかも。

「マイロと俺」は、刑事の相棒に赤ん坊が採用される「天真爛漫」計画。大人が失ってしまったセンスオブワンダーを赤ん坊が担うのである。「おれ」の相棒は生後13ヶ月のマイロ。マイロとともに殺人現場を訪れたおれはマイロのセンスオブワンダーの力を借りて捜査を行うのだが…。
この脱力加減はすごいな。私に関していえば掴みはOKだった。間違いなく。

雑草を決して許さないコミュニティを描いた「緑」も独特だ。
こんなふうに管理されるのはいやだ!といらいらしながら読んでいて、このラスト…。これ好きだなぁ。見事だ。

とんでもなさでいえば「豚」もすごい。
知り合いになった裕福な夫婦の家に招かれていくとその家では豚を飼っていて溺愛しているのだが、愛豚ちゃんの延命のためにこの夫婦がとった行動が、ぞぞぞ…。

買い物リストだけでちゃんと物語として成立している「買い物」も面白いし、表題作もドラマっぽくて面白かった。
毒があるけどにやりと笑えて、イヤン度は低めだと思う。