りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

柴田元幸 × 都甲幸治 トークショー

7月3日に、青山ブックセンターで行われた「柴田元幸 × 都甲幸治 トークショー」に行って来たのだ。
これで都甲さんのトークショーに行くのは3回目。
あきらかストーカー状態。気持悪がられてたらどうしよう…。
そそそんなつもりじゃないんです。ただ都甲さんの話があまりにも面白くて語られるテーマが自分の中でかなりドンピシャで、さらに今回は大好きな柴田元幸さんとの対談って聞いて、行かないわけにはいかないと思ったわけで。ぜいぜい。

柴田元幸といえば。
ぼんやり読者の私でも、この人は面白い本を訳すなぁ!もしかしてこの人は自分で面白い作家を見つけてきて訳しているのか!と気づいて、定期的に新刊をチェックするようになったのが、多分20年ぐらい前。
当時はまだネットが普及してなかったから、「柴田元幸」で図書館の蔵書検索をして出てきた本の題名を片っ端からノートにメモして…そうして組まれたアンソロジーを読んで、そこで面白いと思った作家をメモして他に翻訳された作品があるか調べて…。
そうやって好きになった作家が何人いるかわからない。
そういう意味では20年以上柴田元幸のあとを一生懸命追っかけをしていたと言えるかもしれない。

その柴田さんが目の前に!そして私が最近追っかけている都甲さんと並んで座ってる!うぉー。(←どこからどこまでもミーハー)
もうこのツーショットがうれしくて、また語られる話が楽しすぎて、さらに私のこの20年の!積年の憧れがあふれ出しすぎて、正直舞い上がりすぎてきちんと話を理解できていないのだが、その中で「うおっ」と思ってメモしたことを以下に。メモなので意味不明ゴメン。

・オースターの作品というのはいつも追い詰められる若者が描かれているが、今回の作品は不思議な温かい見守り感がある(T)
・斜めのおじさん的な視線(T)
・オースターの作品によくテーマとしてある父殺しと父探し。それが最近の作品では緩くなってきている。(S)

・現代の文学は「本当らしさ」しばりがある。ストーリーを大展開させていくことを是としない。オースターはストーリー大展開でも許されている。(S)
・自分に照らし合わせて「わかる」「近い」という感じでいうと、オースターよりミルハウザーダイベック。(S)

・柴田、春樹は「昔のソ連」守備範囲が広すぎるので、その隙間をぬうようにしてやっている。(T)
・タオリンは「もう付いていけないかも」と思った。自分は結構「わからない。無理かも」から入る。でも2年ぐらいすると不思議と受け入れられる。(S)

・自分は好きな作品をどんどん紹介するスタンス(S)
・全体の流れの中でどうとらえるか、などを前の時代の人はまじめにやっていたが自分はやらなかった。そのため逆抑圧で下の世代がまじめにやってるのか?(S)
・タオリンは走るフラットな文体で読んでるとむなしくなってくる。嘆きがないのが特徴。(S)

・ボラーニョ(S)
・ジョージソンダーズ(パストリア!)(S)
・リディアディヴィス(オースターの元妻。結構オースターがナーヴァスになっているのでその名前を出しづらい。)(S)
イタロ・カルヴィーノが大好き。「黒い羊」「見えない都市」(S)
・「愛の見切り発車」という題名は都甲さんが付けた。(S)

これぐらいしかメモできなかった…。ぜいぜい。

で、トークショーの後はサイン会。
柴田さんには「Xのアーチ」に、都甲さんには「塵に訊け!」にしていただくべく、家からもって行ったのだ。
まずはドキドキしながら柴田さんの列に並んで差し出すと「お。Xのアーチ!なつかしい♪」とにっこり。そして例によって「りつこ」でお願いすると、「ファーストネームだけでいいんだね?」
思っていたより丸っこいかわいい字だった。うわーー。
そして都甲さんに再びサインをしていただいたんだけど、「りつこ」と書いた紙を見て、「あれ?この間もりつこって書いたよね?覚えてるよ」と言われて、ひーーー。なんかねらってるみたいですかね?覚えてもらいたくてそんなふうにしてるみたいですかね?そういうわけじゃなくてブログに載せたいので…っていうと、ますます嫌な感じですよね?

あうあうあう言いながら列を離れ帰ろうとしたら、たかたかたかっと走り寄ってきた方がいて「りつこさん!ですよね?」
え?ええええ?そそそそうですけど。あなたはもしや…。

そうなのだ。
私がこうしてトークショーに行くようになったのはその方のブログでそのようなものがあるということを知って、いいなぁ行ってみたいなぁと思ったからなのだ。
で、今回のトークショーにはいらっしゃるということもわかっていたので、会えるかも?という期待もあって、きょろきょろしていたんだけど、思っていたより人が多くて結局わからず、あーやっぱり無理だったかー、なんて思っていたのだ。
それが都甲さんが「りつこさん?」と言ってくれたおかげで、気付いていただけちゃったのである。わーーー。
サシで飲みに行くことができて大変うれしゅうございました…じーん…。
大きな声で「りつこ?」と言ってくださった都甲さん、ありがとうございました!決して怪しいものではないのでご安心を。

わーいわーい!