りつこの読書と落語メモ

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困ってるひと

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★★★★

難病女子による、画期的エンタメ闘病記!

ビルマ難民を研究していた大学院生女子が、ある日とつぜん原因不明の難病を発症。自らが「難民」となり、日本社会をサバイブするはめになる。
知性とユーモアがほとばしる、命がけエッセイ!!

巷で話題になっていたので読んでみた。
ある日突然原因不明の難病を発症した大学院生女子が生死の境をさまよいながら、全く整備されてない社会制度と闘いながら、七転八倒して生きていく様を描いたエッセイ。

一言で「難病」というけれど、それはこんなにも大変なことなのか…。
病名が判明するまでに一年。さまざまな病院を訪れるも、適当な検査をして「様子を見ましょう」でお茶を濁され、「実家に戻って療養されたらどうですか」と的外れなことを言われ(療養できないぐらい痛いから来ているのに!)追い返される。
ネットを駆使してようやく「ここぞ」という病院を見つけるも、それでめでたしめでたしではない。
まさに身体を切り刻むような検査を繰り返し、ようやく病名が判明してからも治療の効果が出ているとは思えない日々。
しかもまだ全く治っていないのに入院生活を続けることすら許さない制度。

著者はその過酷な日々をtwittermixiでセキララに綴っていたらしいのだが、そのノリを残したまま、できるだけ読んでいる人がげんなりしないように軽めに書いている。
確かにこの軽い語りでなければ読めなかったかしれない。
だってあまりに酷いんだもの…。自分の手に負えないほどの痛み、あまりに不平等でなっていない制度、全く治療の効果が出ないために患者と医者の間に訪れる「倦怠期」、頼る人がいないので友人知人の好意に甘えていたらある日突きつけられた「もう無理だよ」という言葉。

若さゆえの偏狭さもあるけれど、こんな逆境の中でも自分を省みて成長する姿には驚愕する。
そして絶望の縁にあった彼女のパワーの源になったのが恋愛というのが、ワカモノらしくてとても微笑ましい。
素人さんの書いたものなので「読み物」としては不完全だし未熟な部分もあるけれど、まさにむき出しのまま不屈の精神で体当たりする姿には励まされるし応援せずにはいられない。

いやしかし健康であるというのはとてつもないラッキーなことなのだなぁ…。
生きてるだけでまるもうけ。なのだ。その幸運に感謝しないといけない。