りつこの読書と落語メモ

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冬の灯台が語るとき

冬の灯台が語るとき (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

冬の灯台が語るとき (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

★★★★★

エーランド島に移住し、双子の灯台を望む屋敷に住みはじめたヨアキムとその家族。しかし間もなく、一家に不幸が訪れる。悲嘆に沈む彼に、屋敷に起きる異変が追い打ちをかける。無人の部屋で聞こえるささやき。子供が呼びかける影。何者かの気配がする納屋…そして死者が現世に戻ってくると言われるクリスマス、猛吹雪で孤立した屋敷を歓迎されざる客たちが訪れる―。スウェーデン推理作家アカデミー賞最優秀長篇賞、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞、「ガラスの鍵」賞の三冠に輝く傑作ミステリ。

これはまた独特な雰囲気のあるミステリーだった。
生きてる者も死んだ者も静かで優しくて言葉少なくてミステリアスで、善なのか悪なのかがはかりしれない。
そして確かに感じられる屋敷の気配。ここは呪われた屋敷なのか、そうではないのか。

物語がどう転んでいくか分からなくて、読んでる側も謎に包まれた屋敷を足音をたてずにそっと歩くように、慎重に息を止めて読み進める。
最後の最後まで幽霊譚なのかそうではないのかわからない。
へヴィで悲しい物語だったけれど、主人公の優しさがつたわってきて、不思議と暖かい読後感が残るのも非常に好み。

未熟さはあるけれど素直で正義感の強い警察官ティルダもいいし、ティルダの大叔父で捜査にヒントを与える元船長のイェルロフもいい。
実はこれがシリーズ物だということを読んだ後で知った。一作目も読んでみたい。

それにしても北欧ミステリーにハズレなしだ。