りつこの読書と落語メモ

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嘆きの美女

嘆きの美女

嘆きの美女

★★★★

生まれつき顔も性格もブスな耶居子は、会社を辞めほぼ引きこもり。顔のにきびをつぶすことと、美人専用悩み相談サイト「嘆きの美女」を荒らすことが最大の楽しみだった。ところが、ある出来事をきっかけに「嘆きの美女」の管理人のいる、お屋敷で同居するハメに…。美しくても、美しくなくても、たくましく生きる女性たちの姿を描く。外見、趣味、食べ物、男性からの視線―。生きてきた環境があまりにも違う彼女たちが、いつの間にか繋がっていく。女の人たちの物語。

痛快! ブスでデブでニートでブログ荒らしが趣味の耶居子が、嘆きの美女たちとの共同生活で生まれ変わっていく。
醜いアヒルの子が白鳥に変わるがごとく、ねじくれてよどんでいた心が徐々に澄んできて、持ち前の毒舌さえも美女たちの明るい光を受けて、きらきらと輝き出す。まさにシンデレラストーリーといえる。

もともと耶居子は自我が強くて文才もあれば観察眼も鋭くて(だからこそ人の痛いところを突いてブログを荒すこともできたわけで)たいしたタマだったのだ。
しかし如何せん誰からも愛されたことも好かれたこともなく自分を肯定できない故に誰のことも好きになったことがなく、内にこもって被害者意識と劣等感だけを生きる糧にしてきてしまったのだ。

美女たちは美女であるがゆえにちやほやされるし自分に素直だ。
だけど彼女たちにも彼女たちなりの悩みがある。しかしそれを言えば「いい気になってる」「贅沢な悩み」と嫉妬される。
この極端に違う彼女たちが一緒に暮らす中で芽生えてくる友情。そして白日のもとにさらされる本性。
これが実に気持ちいい。

漫画っぽい展開ではあったけれど、読んでいて楽しくて元気がもらえた。
そして出てくる料理がどれも美味しそうで(ジャンクも含め)それもグッド!